観た、『レッド・オクトーバーを追え!』 | Joon's blog

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『レッド・オクトーバーを追え!』を観ました。

 

ロシアの新型原子力潜水艦レッド・オクトーバーが初出航した。艦長のラミウスは命令に背き、独自にアメリカを目指す。

一方、ロシア海軍の妙な動きを察知したアメリカ海軍は、CIA分析官のジャックに調査を命じる。

ラミウスと面識があったジャックの想像した通り、ラミウスは数人の士官と共にアメリカへの亡命を望んでいた。

ラミウスの目論見を知ったロシア海軍は、主力艦隊を以てレッド・オクトーバーを追撃すると同時に、アメリカ政府にも撃沈の要請をする。

どうにかレッド・オクトーバーへ攻撃をせず、亡命の意思を尊重するジャックは、ラミウスとの接触を試みるが……といったお話。

 

現代戦を想定した話を多々執筆してきたトム・クランシーさんの作品群には、ジャック・ライアンというキャラを主役に据えた作品があります。

本作もその中の一編で、『パトリオット・ゲーム』『今、そこにある危機』『トータル・フィアーズ』と映画化された作品もあります……が、俺ッチが追いかけていたのはせいぜいこの辺までで、別に続編だのシリーズ化だのってわけでもなく、その後もジャック・ライアンが登場する作品はいくつか映画化されていたようです。

調べてみると、ジャックが登場する作品は20作近くもあるようで、最終的にはななんと大統領まで務めるそうです。日本で例えるなら、島耕作みたいな人生を送っているんだな…(笑)。

 

そんなジャック・ライアン、本作ではCIA分析官(←正式にはCIAの職員ではない?)であり、かつて海兵だった頃には歩けるようになるまで1年も掛かるような重傷を負った過去が語られます。

少なくとも本作の時点ではその程度のポジションに収まっていますが、相手の行動予測・交渉・射撃と、色んな才能に富んでいる人なんですよね。

この人がいなかったとしても米露が開戦する事はなかったでしょうが、一触即発の状態にまでは問題が発展したでしょうね。イギリスのMI6に勤めているあの人も顔負けだ。

 

タイトルにもなっているレッド・オクトーバーは、ロシア最新の原子力潜水艦。

全長は200メートルもあるし(乗組員が甲板に集まった時に分かる、その大きさよ!)、装備も最新式。

水中を無音で航行できるキャタピラー推進装置を搭載しているのでスクリューを使わずに済む、つまり敵のソナーに引っ掛かる事がないという、まさに海中のステルス機ですね。

 

そんなレッド・オクトーバーの航行シーンや戦闘シーンも見どころです。

それらはミニチュアによる特撮で表現されていますが、これが実に素晴らしい。

メイキングを見る限り、ミニチュアと呼ぶには抵抗を感じるほどの大きさで作られていますが、それ以上に大きく見せる工夫のおかげで見応えを感じます。

少なからずCGも使っていますが、本作は1990年の作品という事で、CGもまだ黎明期。ひと目で「こりゃCGだ…」と分かっちゃうレベル故に、ミニチュア撮影の出来の良さが引き立ちます。

 

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Blu-ray版は“スペシャル・コレクターズ・エディション”とか銘打っているけど、映像特典は予告編とメイキングだけです。メイキングは2002年に撮り下ろされたもののようで、スタッフ&キャストが当時を振り返ります。

 

ここで言及されていましたが、CIAのグリーア長官を演じているのはジェームズ・アール・ジョーンズさん。

本作は1990年の作品ですが、当時としては命令を下す側の立場にある高官の役に、黒人俳優がキャスティングされるのは異例だったそうです。当時には今みたいな歪んだ忖度なんかないに等しかったから、なおさら目新しく感じた事でしょう。

でも、分かる人には分かるんですよね、この人には威厳を感じさせる役でお馴染みな事を…。ピンと来ない人は目をつむって、声に集中してみて下さい……どうだい、邪悪な理力(=フォース)を感じるだろう?