『X-MEN:アポカリプス』を観ました。
紀元前に封印された人類史上初のミュータント、エン・サバ・ヌール=アポカリプスが現世のエジプトに復活した。
アポカリプスは再び世界を統治しようと、自らが頼れるミュータントを探し集める。その中には、妻子を殺され人類に復讐を誓うエリック=マグニートーの顔もあった。
アポカリプスの復活を察知したチャールズ=プロフェッサーXは、かつて行動を共にしたCIAのモイラに協力を要請、新たなミュータントの仲間も加わった。
エリックがアポカリプスと共に行動していると知り、チャールズはテレパシーでエリックに交信するが、そこにアポカリプスも介入、学園に現れたアポカリプスはチャールズを誘拐し去ってい行く。
エジプトに向かい、チャールズの身体にアポカリプスの魂を移す儀式が行われる中、アポカリプスの手下と戦うX-MEN。その中で、ジーンは自分の本当の力に覚醒し始め……といったお話。
2時間以内に収めていた1&3作目が今や懐かしく、シリーズのヒットに伴い尺がどんどん長くなっていきます。ちなみに今作は144分=2時間24分。
特撮シーンが多いのは仕方ないにしても、長いのが気になりましたね。
特に焦れたのがピーター=クイックシルバーが爆破された屋敷から住人を救い出すシークエンスで、やってる事が面白いのは分かるんですが、いつまでやってんだよとイライラすらしました。2分半くらいあるらしいですが、そりゃ飽きるよ。
これ見よがしに長い特撮シーンの積み重ねで、全体の尺が長くなっている気がします。
シリーズ中、最もその辺のバランスが取れているのが3作目『X-MEN:ファイナル・ディシジョン』に感じます。
今作は、正式にX-MENが結成するまでのお話です。
映画のX-MENシリーズは旧3部作、その前日譚である(この時点では)新3部作があり、今作は後者の3作目。旧3部作へと繋がる役割を果たしています。
なので、旧3部作に登場するミュータントたちの、X-MEN加入前のエピソードが明らかになるのが見どころです。
初めはあっち側だったんだ?と、レイブン=ミスティークやオロロ=ストームの、両陣営への去就について知れるのもいいですね。
…ただね~、やはり初めに見た旧3部作のインパクト(や思い入れ)は大きく、若返ったのは良いかもしんないけど、総じて同一キャラを演じる俳優の個性がチト弱く感じます。
まだ見慣れていないってのもあるんでしょうけどね、次作『ダーク・フェニックス』にも続投するようですが、その時には違和感がなくなってるかな?
現時点では、ファムケ・ヤンセンさんとかハル・ベリーさんの方が良いな…。
旧3部作には社会的な風刺を多分に含んでいましたが、新3部作ではだいぶ薄まりましたね。旧3部作を見知りしている時点でそれらが既に浸透しているんだから、当然と言えば当然なんですが…。
新3部作はバトルや各キャラの群像劇を重視しているような感じです。敵の巨悪化によりバトルは多めになり、信念から両陣営を行き来するキャラが増えたから友情を描くって感じ。
特に後者に関して思うのは、エリック=マグニートーを例に挙げれば、旧3部作であれば“マグニートー”、新3部作であれば“エリック”と呼ぶのがしっくり来るといったイメージ。
旧3部作はミュータントとしての彼らを、新3部作は各キャラ個人を重視しているような趣があり、劇中の歴史は地続きであっても、新&旧で作風が変わったような感じですね。
エリックと言えば、今作でも相変わらずブレてます(笑)。
根っからの悪人ではないし、人間を心底から憎む事もできないんだから、もう素直にチャールズと仲良くしなよ!と言ってあげたくなりますね。
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Blu-ray版のメイキングは見どころが多いですね。
特撮のカラクリを見せるだけでなく、本編だけでは理解できない描写に関する捕捉があったりと、副読本的に見ておくと本編に深みが増します。
最大の見どころとしては、チャールズを演じるジェームズ・マカヴォイさんの断髪式(?)ですね。
今作ではチャールズがスキンヘッドになる理由も描かれますが、あれはCGとかカツラではなく、マカヴォイさんが実際に髪を剃っている模様が映されています。
しかも、エリック役のマイケル・ファスベンダーさんが立ち合っているだけでなく、その状況をテレビ電話で、後年のチャールズを演じたパトリック・スチュワートさんにわざわざ見せるとか、どんだけ微笑ましい光景なんだ…!