『X-MEN』を観ました。
ミュータントが増え続ける、そう遠くない未来。突然変異により超人的な能力が身に付いた彼らは人間より迫害を受け、議会ではケリー上院議員が提案するミュータント登録法案に関する議論が交わされていた。
何者かに襲われ重傷を負ったローガンとマリーは、とある学校に連れ込まれる。そこは園長のチャールズを初め、ジーンやスコットらが教師を務める、ミュータントの少年少女の保護を目的とした宿舎だった。
しかし、それは表向きのもので、人類への反旗を翻すエリックを首領とするミュータントの一派と戦うための、最新設備を備えた秘密基地でもあった。
ローガンは、自身の失われた記憶の手掛かりを探す代わりに、エリックの行動を探るチャールズへの協力を約束する。
そんな折、宿舎を出て行ったマリーを引き戻すために駅に向かったローガンたち。そこに現れたエリックの部下たちと戦闘になる中、マリーはエリックに捕らえられ……といったお話。
子供どころか、いい大人でも、こういうヒーローたちの特殊能力には憧れを抱くものです。
本作を観る大人の多くも、辛気臭いドラマは二の次に、まずは画面狭しと大暴れするヒーローの活躍を見たいものですからね。
それも必要だけど、X-MENシリーズの根底にあるテーマは個性と差別。
無二の能力を持つ彼らではありますが、だからこそ自分と違う人間が多いどころか、自分こそが異端であり、差別の対象となり得てしまいます。
XパワーでYaeh!なんてノーテンキにハシャぐのはいいけど、異質すぎる個性は浮いてしまうものであり、下手をすれば差別を通り越して迫害すら受けてしまいます。
そんな彼らに悲哀を感じられる人であれば、個性の受容こそが本作のメッセージである事にも気付けるはずです。
賢い子供なら、Xメンごっこなんてやらないでしょうね。
公開当時、日本で『X-MEN』という作品を知っていたのは少数、そこから(ちょっと)知名度を上げたのはカプコンのゲーム『X-MEN VS. STREET FIGHTER』によるものだと思います。
あれを先行知識として本作を観てみると、色々と違和感があるでしょうね、俺ッチもその中の1人ですが。まず実写映画化決定の一方を見知りした時、あんなド派手な色の全身タイツを誰が着るんだ?と気になったものです。
コレですからねぇ(笑)。
さらに言えば、主役格だと思っていたスコット=サイクロップスが端役に近かったりと、『X-MEN』という作品について色々と曲解していた事を思い知らされたものです。
だからって、いまから漫画を読んでみようという気にはなりませんがね。スゲー長いらしいし。
漫画版『X-MEN』をチラ見すれば、だいたいセンターにいるのはサイクロップスですから、てっきり主役だと思っていたんですがね。
エンターテインメント的に、特に映画として考えてみれば、目を見せ(られ)ない=感情表現が足りないキャラを主役に据えるのって、なかなかリスキーですから、準主役であろうローガン=ウルヴァリンを繰り上げて、その座に就くのは当然っちゃ当然ですね。
結果的にその判断が大成功したのは周知の通り。演じるヒュー・ジャックマンさんとローガン=ウルヴァリンの組み合わせが最強である事は、この後に作られる数多の続編やスピンオフが証明しています。
粗野で短気、紳士的な面など一切ない(笑)、ああまでワイルドなキャラというのは、小綺麗でナヨッとしたイケメンばかりの当時においては新鮮だったんでしょう。
********************
********************
********************
Blu-ray版は、映像特典はあるにはあるけどチト半端ですね。元々が本編&特典ディスクの2枚組だった物の、本編ディスクのみの廉価版ですから仕方ないんですけど。
にしても、このジャケットのセンス、何なんでしょうね?
ミスティーク・ウルヴァリン・プロフェッサーXと、どうにも脈絡のない人選にしか思えないんだけど。