観た、『ラ・ラ・ランド』 | Joon's blog

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どんな傑作にも100点を、どんな駄作でも0点を与えないのが信念です

『ラ・ラ・ランド』を観ました。

 

ロサンゼルス。アルバイトをする一方でオーディションに挑むミアは、落選続きの毎日。

ある夜、クラブから聞こえるピアノに惹かれたミアは、演奏していたピアニストのセブと知り合う。

女優を目指すミアと、役者廃れ気味のジャズを復興させ自分の店を持とうとするセブは意気投合し、お互いの夢を語り合う。

親しくなった2人のデートの最中に、セブの旧友キースに会う。現在キースはバンド活動をしていて、セブを誘う。自分が求める音楽の方向性に違和感を抱きつつ、セブが加わったバンドの人気は上昇。

ミアの方も、自ら脚本を書いた一人芝居の舞台に挑戦する。

すれ違いの日々が続き、お互いに溜めていた鬱憤を爆発させてしまった2人は……といったお話。

 

近年のテレビの長時間の音楽番組には、ほぼ必ずミュージカル映画のコーナーがありますが、密やかなブームになっている表れなんでしょうね。

本作も、日本でのミュージカルブームを盛り上げる作品の一つだったように思えます。

 

開始早々、高架道路上の渋滞で参っていた人たちが揃って踊りますが、このスケールのデカさにソッコー圧倒されます。

本作のミュージカルシーンのほとんどが1カットの長回しで撮られているのが驚きで、やはり↑のシーンが一番でしょう。カメラワークとそれに合わせた振り付けが複雑で、考えるのも大変だろうけど、リハーサルにも苦労したんだろうなぁと。

 

平たく言えば、若い2人が夢を追いかける話です。

さらに言えば、どんだけ才能があっても拾う神がいなければ、身を助ける程度の芸でしかないという事ですね。

俺ッチが考える芸能界に必要な3要素とは、運とコネと多少の才能です。最終的にはミアもセブも、これらが巡り回って来たからこそ、ああいう終わり方になったんだと思います。

 

ミアもセブも不遇からの脱却を試みて、本来の自分が求める夢から少し道を外れます。

ミアの一人舞台はまだしも、セブが参加したバンドの音楽はジャズには程遠く、ミアでなくてもダメ出しするでしょ(笑)。

“夢”と“現実”、“現実”というより“妥協”を描いているのが生々しいんですよね。むしろこっちの方が現実的だし。

ミュージカル=歌って踊って楽しい世界という印象がありますが、ドラマ部に関しては意外とドライな作風という印象が強まりましたね。他に思い出せるミュージカルが『ウェスト・サイド物語』くらいなものなので(笑)。

 

ちょっとネットで調べようとすると、検索予測候補の中に“ララランド ミア ひどい”なんてのがありましたが、まぁそう取る人も多いでしょうね。かく言う俺ッチも、もっと若い時分に見たら、そっち側の仲間だったかもしれません(笑)。

でも、あれこそが“夢”の到達点とも言うべき形じゃないでしょうか。

何かを得るなら何かを捨てなきゃならない。夢とは、アレやコレやソレらを秤に掛けた上で手に入れるものなんじゃないかと。

2人がなかなか会えずにピリつくシーンは、お互いが付き合ったまま夢を叶えた場合の未来の姿だったのかもしれません。

あの終わり方にモヤッとどころか、ムカッとする人も少なくないようですが、ミアがセブの近況をちゃんと知っている描写でもあれば良かったんでしょうね。セブがいると思われるロサンゼルスに寄り、ジャズの演奏が聞こえる→出会った時と同じような店の入り方をしたという事で、セブに会える期待を抱いていたんだろうと肯定的に解釈。

まず相手が夢を叶えるのは2人が一番に望んでいた事であり、自分の想いを成就させるのは二の次だったって事で、物語は完結しても2人はいい友人でいられると思います。

ラストの“たられば”のシーン、『タイタニック』のエンディングみたいで泣きそうになったな…。

 

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↑のはサントラのCDね。ミュージカル映画は音楽も聴きどころですから。

音楽と言えば、劇中で……ぉおおおっ!

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a-haの『Take On Me』のイントロが流れた時には、一気にテン上げでしたね。

まぁ、別人によるアレンジ&ボーカルでしたが…。