『機動戦士ガンダム Twilight AXIS 赤き残影』を観ました。
既に軍から身を引いたアルレットとダントンの元にある男がやって来る。男はある作戦が開始される旨を伝え、2人は参加を決意する。
作戦の内容は、先の戦役で失われたモビルスーツの回収。かつてアルレットやダントンが関わっていた機体だ。特にアルレットにとっては慕っていたジオン軍の士官が乗っていた機体だけあって思い入れも人一倍で、その後の行方を気にしていた。
アクシズに潜入した一行は連邦軍のモビルスーツ部隊と遭遇するが、かつてテストパイロットだったダントンがこれを撃退する。
一行が件のモビルスーツを発見した頃、先の連邦軍の部隊の中の1機が再来。アルレットはアクシズに残っていた開発途中の機体に乗り込み……といったお話。
公開媒体を問わず、今や“ガンダム”の名を冠する作品は節度なく濫造されていますが、映像作品に関しては他のそれらより遥かに気を遣って作られています。
そして本作も例外ではないはずなんですが……観終えた直後の率直な感想は「何コレ?」。
そんなポカーン感が否めない本作ですが、似たような感覚として『機動戦士Zガンダム』の劇場版を連想します。
テレビ版を全く見ていない人が、初めて劇場版『Z』を観た時の理解度(正確には納得度)ってどんなものだったんだろう?と。
劇場版『Z』にも、テレビ版を何周も観ていても、“ここはテレビ版を知らなければ伝わりにくそう”と感じるシーンは多々ありました。
本作もこれと似たような感じで、まずは原作なりオリジナル版に触れる=あらかじめ先行知識を身に付けておかないと、まるで意味不明なだけの動画という印象で終わると思います。
逆に、小説版を読んでいればもう少し理解した気になれるんですかね?
尺がたったの26分ってのも、ある意味において衝撃です。
原作の長さ(=情報量)はもっと膨大に思えるし、それを短編としてまとめるにも無理があります。
短編なら短編なりの見せ方があるし、分かんない所は別の媒体(=原作)で補完してねという神経がナメてるんですよ。
ちなみに、本作はネットムービー6話分に新作カットを少し混ぜたものらしいですが、26分÷6話=1話が5分未満ですよ? そんなブツ切り公開で喜べる人がどれほどいるんだ?
総じて、30分にも満たない尺こそが本作の元凶だと思います。60~90分くらいの尺があれば、1本の映画としては遥かにマシな作品になっていたんじゃないかな。
“モビルスーツがカッコ良かった点は高評価!”といった感想は、所詮はロボットしか見ずにドラマ部は早送りしちゃうような連中によるものなんだろうけど、まぁ昨今のガンダム作品の評価なんてそんなものですから、ムキになってまでこれを見下すのは無粋ですね。
あと、昨今の宇宙世紀系ガンダム作品って、どうしてこうもシャアをお手軽に使いすぎるんだろうね。
あと、これはオジサンばかりの意見じゃないと思いたいけど、あ痛たたたなセリフをどうにかして欲しいと思うんですよ。
デッカいロボットを“この子”呼ばわりするとか、必殺技のごとく「ファンネル!」と叫んだりとか……もうそういうの勘弁してよ。
俺ッチも含め、本作を傑作と呼ぶ人はかなり少ないでしょう……否、少ないと断言(笑)。
ただ、完全版とか何とか銘打って90分くらいの作品として再製作するのであれば、観てみたいとは思いますがね。
つーか、このままじゃ原作の方だって巻き添えを食って低評価の烙印を押されるだろうに…。
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尺も短いので、単なる情報としてサクッと見るなら↑↑の配信版で良いんじゃないかな。
消化不良すぎるので小説版を一読してみたいけど、ネットで無料公開されていたようです。
…ただね~、ネットで小説とか呼んでもサッパリ頭に入らないんですよ(笑)。本としての小説があれば買いたいんですが、どうやらBlu-rayの特典としてしか存在しないようです。
映画本編もショボいし、今や値段もボッたくり価格だし、これを買うなら頑張ってネット小説を読むしかないのかな…。