休日には必ず映画を観ようと心掛けていますが(その上で、こうやって駄文を綴るムダ習慣よ)、今日はプラモに時間を取られてしまったので短めの作品をと思い、『コマンド―』をチョイス。
91分という短さですが、内容がギュウ詰めなので冗長に感じる事がありません。そこがいい。
かつ、お手軽鑑賞なので、屋良有作さんVerの吹替版。
初見が割と最近だったのもあり、俺ッチがここ数年で観た映画の中では、かなりの衝撃作に思えました。
それほどまでに、ただのハチャメチャな作品です(笑)。
映画の中には、芸術や哲学や風刺等が何かしら&必ず含まれていると考えている俺ッチですが、その昔、『笑っていいとも!』でタモリさんが「映画にメッセージなんかあるわけないじゃん」と言い放っていたのを聞いて、この人には映画という文化は理解できないと、若い頃の俺ッチは反発したものです。
…が、本作を観てみれば、タモさんの言うような作品も世の中にはあるだけでなく、自分の見識の狭さを思い知らされました(笑)。
近頃は映画の中の行動が現実離れしている事を指摘し、いちいち現実に変換し、それがリアルでないからとして作品を酷評する連中が増えています。
そんな連中を指して、ただ一言――バカだよね。
所詮は映画というフィクションだし、フィクションの極みたるアニメや漫画に大マジになって、そういう指摘をする、つまり虚実の境を付けられないという意味においては、病人というより子供です。
知識ばかりを一丁前に身に着けた、頭でっかちで幼稚な客が増えたって事でもあるんだよね。
現実にあり得ない事をやらかすから劇として成り立つんだし、現実主義を貫くのなら映画じゃなくてドキュメントを見てろよと。
現実にはあり得ない真似をするから痛快であり、カタルシスがあるのにさ。
昭和の子供がライダーキックを真似して怪我をしたのは、中途半端なリアルを与えたのが原因です。
が、本作の場合は、普通の人には真似できない事をやってのけるところにフィクションを感じさせるんですよね。
車を下らせるために、自力で車(しかもRV車)を坂まで押せるか?
助手席のシートを素手でむしり取れるか?
公衆電話で連絡をしようとする敵を妨害するために、電話ボックスごと破壊するか?
夜間に銃器が欲しいからって、ブルドーザーで銃砲店に押し入るか?
自分の娘がどこにいるかも分からないうちから(笑)、銃撃&爆破ができるか?
――まともな人なら、これらの答えは全てノーです。
あまりにも荒唐無稽の度が過ぎる→現実離れしすぎていれば、よっぽどのバカでもない限りは、真似すらする気も起きないじゃないですか。
本作は、そんな連中に虚実の境を教えるための作品でもあるのです。多分。
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何やらネットでは、吹き替え版のセリフ回しにシビれている人たちが多いようです。
個人的には、何がそんなにウケてるんだかサッパリ分かんねーけど(笑)、そんなトレンドに乗っかりたい人は、吹き替え版を観るのがオススメです。