『Mr.BOO! インベーダー作戦』を観ました。
マウステレビと契約しているものの、売れないタレントのブーは今日もヘマばかり。
一方、借金に追われるロンとリンの手品師兄妹もまた、鳴かず飛ばずのまま。
そんな折、マウステレビのライバルであるキャットテレビから司会を依頼されたブーの番組が大受け、ぜひブーと契約をしたいというオファーを貰う。
しかし、マウステレビの製作所長ウォンは、ブーとの契約終了の願いに首を縦に振らない。
弟のチョンボの協力を得て、ブーは契約書を盗み出す事を決意。2人はウォンの部屋に忍び込むが、チョンボが契約書の入った金庫に閉じ込められてしまい……といったお話。
Mr.BOOシリーズ第2弾!との事ですが、これは日本のデタラメなデッチ上げで、オリジナルは別にシリーズでも何でもないんですよね。単に、マイケル・サミュエル・リッキーのホイ3兄弟によるコメディ作品なだけで。
しかも、例えばソフト等のジャケット裏にもある作品紹介にあるキャストを見ても、先の粗筋に挙げたキャラなんてどこにも書いてありません。
つまり、日本語吹き替え時にキャラ名を差し替えてしまうという、今では考えられない暴挙を冒してまで日本寄りにローカライズしているんですよ。
最も顕著なのが、このキャラがタイトルの“Mr.BOO”なんですよと言わんばかりに、主人公をブーという名前に差し替えている点ですかね。
にしても、フルネームが“ブー・ホーヒ(ホウヒ)”とか、センス最強すぎだろ…(笑)。
本シリーズが好きな日本人の99%は日本語音声こそがデフォルトであり、広東語が吹き替え音声と思い込んでいるのは周知の事実として。
その99%に支持される理由は、やはり広川太一郎さんの吹き替えです。こればっかになっちゃうんですが。
広川さんが受け持つ洋画の吹き替えは他にもあっただろうけど、今作はシリーズ第2弾という事で前作以上に勝手が分かって来たようですね。正確には、暴走上等といった感じですが(笑)。
今作でも画面内のキャラの口が開いてなくてもペラペラ喋っちゃう(笑)広川節が炸裂しまくりです。その大半はどうでもいい内容ばかりなのに、それでオッケーを出しちゃうんだから大らかすぎるよ、昭和…。
昭和と言えば、ビデオデッキがなかった頃は、カセットテープに録音したテレビの音声を聞いて楽しんでいたという話は、若い人でもチラ聞き程度に知っていると思います。
今の時代にそれをやっても、本作なら十分に楽しめそうな気がします。とえ画がなくても、聞いているだけでも面白いんじゃないかな。
音だけを抜き取るところから始めるのがメンド臭いけど…。
…で、肝心のお話の方はと言えば、相変わらずコントに近いものなので、ドラマ性はほぼありません(笑)。
画面内で起きているドタバタ劇を見て笑っているだけでいいんです。
ブーが司会をしたクイズ番組のシーンは多分に毒があって、ブラックユーモアとしても面白いけど、そもそもブラックユーモアとは声を出して笑うものではないですからね…。
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…うお、配信版は字幕版のみかよ、分かってねーなぁ。
まぁ、仮に吹替版があったとしても、配信で見るのは若い人が圧倒的に多いだろうから、そんな世代の人が見たところで、お笑い第7世代よりも遥かにつまらないと感じるんだろうね。
…って事で、図らずも2020年最後に観る映画がコレとは(笑)。
来年もまた、よろしくおネアンデルタール人!←本作に倣っての広川節