仮面ライダーセイバー&ゼロワンの映画を観てきました。
冬のライダー映画と言えば、現役と一つ前のライダー作品が同一世界で共闘するのが例年のパターンでしたが、今回は別個の作品となっています。
ゼロワンとセイバーの共闘が見たかった人には残念でしたね。
まずは『仮面ライダーセイバー 不死鳥の剣士と破滅の本』。
劇場版ではありますが、“劇場短編”と銘打ってある通り、ソッコー終わります。かつ、8割がライダー姿のシーンで、お話としてはペラッペラです(笑)。
「仮面ライダー○○の△△フォームが~」とか言ってるような人しか楽しめないでしょうね。ロボット目当てでガンダムを見るような感覚というか。
劇場版のゲストライダー、仮面ライダーファルシオンが登場し、悪さをするという大筋。
その悪さの内容とは、この世の争いの根源となる人間を全て無に帰した上で、新たな世界を作ろうとします。
…ただ一言、またですか?と。世界をリセットしようとする悪の親分が多すぎる問題、誰か解決してくれよ。
余談ながら、そんな発想は『伝説巨神イデオン 発動篇』が始祖に思えます。
チト一家言になりますが、特にテレビ版も『~セイバー』は作劇(脚本?)で損をしている点が多いのが勿体ない。
設定としては面白いはずなのに、説明やプロセスをスッ飛ばしてしまう作風が、分かりにくい印象を強く与えていると思うんです。
察しの良い人なら分かれるかもしれないけど、そんな人は圧倒的に少ないし、何よりもこの手の番組は多分に噛み砕いた説明が必要なんですよ。世界観も特殊すぎるんだから(笑)。
本来はちびっ子に見てもらうための作品だし、“自分が分かんないからつまんない作品だ”と言い切れるような、ちびっ子マインドを忘れない大人も、本作に関しては特に多いしね。
今回の劇場版は、所詮は短編という事で『~ゼロワン』の前座と割り切ってもいいんですが、本来あるはずの劇場長編のクライマックスシーンだけを見せられたような感じでした。
…って事で、ファルシオンさん、いつ戻って来るんでしょうね(笑)?
次に『仮面ライダーゼロワン REAL✕TIME』。
テレビ版の、諸悪の根源であった人工知能アークが及ぼした影響は完全に終息しておらず、また新たな問題が発生する、といった感じのお話。
まぁ、最終回でも新たな仮面ライダーの登場を示唆していましたしね、嫌らしくも。
その問題の中心となるのが、仮面ライダーエデン=エスという男。
演じるのは伊藤英明さんですが、劇場版ゲストライダーにオジサンを起用する傾向が恒例になったのはいいですね。若者がワチャワチャとハシャいでる中に、ピリッと緊張感が流れる感じで。
エス=一色理人の野望(正確には悲願)を止めるため各ライダーが奮闘しますが、↑先の『セイバー』と同じように、根底にあるのは一個人のエゴなんだよね。
どちらも主感たっぷりながら良き未来を迎えるためなんだけど、エスのそれは、あまりに独善的。
“大義”という言葉に含まれるような自己犠牲ではなく、完全に自己満足でしかない点が、大きな力を持った小悪党に見えますが、一人の人間の本音なんてそんなものじゃないでしょうか?
むしろ、人間臭さすら感じさせるという意味で、悲しい悪役だったと思います。
他の、こっち側のライダーに関して言及しているサイトは多々あると思うので、その辺に関しては当ブログではスルーです(笑)。
近年の映画の話題には、よく“ネタバレ”という言葉が付いて回ります。
浅はかな人間は、そんな“ネタバレ”を軽々しく吹聴しますが、その内容うを伏せておくにしろ、ネタバレがあると言ってしまう人間も同罪です。
何故なら、ネタバレという言葉自体、何かしらのサプライズがあるというネタバレでもあるのだから。
――とは言え、映画の話をするからには、大なり小なり内容に触れる事は免れません。
おそらく誰もが予想できるであろう“仮面ライダーが悪い奴を倒す”、これだって立派なネタバレだし(笑)。
当ブログでは、注目ポイントや取るに足らない事に関するのみで、なるべく核心には触れないよう心掛けてはいますが…。
ま、遅かれ早かれネットニュース等で、嫌でも見出しが目に付くでしょうが……それに関しての俺ッチの感想は、「某ガンダムの最終回を連想しました」としておきましょう。
ムリヤリ感は否めないけど(笑)、実に『~ゼロワン』らしいよなぁ。
テレビ版のゲストキャラがちょこちょこ出ているのは、立派なファンサービスの一環ですね。個人的にイチ推しの香菜澤セイネ(=美山加恋さん)は、当たり前のごとく出ませんでしたが(笑)。
それらに混じって、各界の著名人も多々出演していますが、せっかく後藤洋央紀さんを起用しておきながらソッコー変身、かつ剣撃ばかりってんだから勿体ないの極みすぎるだろ。
その昔、100人に1人の逸材である人がゲスト出演した際にはスリングブレイド(っぽい技)を使った事だし、バルカンあたりにGTRでも決めてくれるかなーと期待してたんだよぉぉ…。
↑は劇場プログラムですが、800円の割に内容はギュウ詰めで資料性も高く、なるべくどころか、確実に買っておくべき。
スパ戦&ライダー映画のそれらは、世の中の劇場プログラム全般においても実にコスパのいい商品です。
『機動戦士ガンダムNT』のプログラムなんか、内容スカスカ+ページ数ペラペラ=1000円と、スゲー腹立たしい商品だったからなぁ…。
そういえば、『~セイバー』は久々の多人数ライダーという触れ込みでしたが、↑のプログラムの表紙=イメージビジュアルを見て分かる通り、『~ゼロワン』より全然少ないです(笑)。
まぁ、現時点での話ですが、ここから何人増えるやら…。