『ウルトラマン』を観終えました。
“ウルトラマン○○”じゃなく、元祖の『ウルトラマン』です。
シリアスだったり社会風刺だったり、深いテーマを扱うのは『ウルトラQ』や『ウルトラセブン』ばかりに目が行きがちですが、『ウルトラマン』にもそんな回は少なくないんですよね。
では、『ウルトラマン』においてのそれとは、どのあたりのエピソードなんでしょう?と、手っ取り早くネットで調べてみれば、
#20 恐怖のルート87 [ヒドラ]
#23 故郷は地球 [ジャミラ]
#33 禁じられた言葉 [メフィラス星人]
#35 怪獣墓場 [シーボーズ]
#37 小さな英雄 [ジェロニモン]
なるほど、この辺が注目されているようです。納得のエピソード群ですね。
――だが&しかし、ヘソ曲がりな当ブログで推す、否、推すのではなく、俺ッチが個人的に好きなエピソードとして、
#31 まぼろしの雪山 [ウー]
も含んでおきたいですね。
近年、『帰ってきたウルトラマン』の#33『怪獣使いと少年』が、付和雷同のごとく無駄にプッシュされてますが、あれはあれで考えさせられる話ではあるけど、『まぼろしの雪山も近いテーマを扱っています。
あちら=『怪獣使いと少年』が“迫害”であれば、こちら=『まぼろしの雪山』で描かれるのは“いじめ”という感覚かな?
虐げられる対象となるのが、あちらでは少年ですが、こちらは少女で、しかもジジイに近いくらいの男連中が猟銃で迫るんだから、道徳的にも画的にもヤバい雰囲気です。
鈍い人や偏見を持った人には分からないラストは確実にハッピーエンドではないので、暗い話が嫌いな人は見なくていいですよ。
この回で、科特隊のイデ隊員は、今回の事件はあんま気乗りしない旨を吐露していました。
イデはコメディリリーフのポジションにあるんだけど、序盤の頃は子供に媚びてるようなギャグっぽい言動も多くて、正直ウザいんですよ(笑)。
けど、この頃になってくると、そんな序盤で見せていた鬱陶しさも(ようやく)薄まり、シリアスキャラの側面を覗かせるようになります。
中盤くらいからかな、イデ隊員は絶対悪であるはずの怪獣(や異星人)に対し、同情の念や疑問を抱く事が多くなります(ジャミラの一件が引き金となったわけではないですが)。
挙げ句には、わざわざ自分らが必死こいて頑張らなくても、ウルトラマンが必ず来てくれるという禁句(笑)まで発してしまいます。
ウルトラマンが怪獣と戦うシーンだけに注目する子供よりも大人びた、それ以外の劇中の出来事に疑問を感じる視聴者の代弁者であり、その解答を引き出すための役割を背負った事で、終盤でのイデ隊員は魅力を感じさせるキャラになったように思います。
逆に、最後まで特徴がないのがハヤタだったという…(笑)。
昭和だけあって、特撮技術がショボいと揶揄されても仕方ないでしょう。
ただ、やってる事は実に贅沢です。
その極みとも言えるのが怪獣が現れる→ウルトラマンと戦う場(ロケ地?)。
多くがスタジオ内のセット撮影ですが、かなりのカメラの引きに耐えられるくらいに広い! それだけミニチュアも数多く&成功に作らねばならないだけでなく、小高い山や台地といった地形の高低差も表現するのって、スゲー大変な作業に思えます。
それを毎回分作り下ろしているんだから、特撮班の苦労は想像に絶しますね。
近年はもう少し広さを感じられるようになりましたが、スーパー戦隊シリーズにおける巨大ロボ戦の、行動範囲が限られたリング内で戦っているような手狭感とは比べ物になりませんよ(笑)。
“CGなんかない時代”という判官贔屓なワードは使いたくないですが、昭和特撮のやってる事は全て本物。
特に火の表現に関するそれは、ごまかしやコントロールが効かないから、特撮としても難しそうだし危険です。
それを実感させるのが#13『オイルSOS』における特撮で、怪獣ペスターが油を求めて製油施設で暴れまわるんですが、発火や引火、爆発に告ぐ爆発の多さと言ったら!
作り物とは他人事と思いがちですが、そこで使われる火は本物。ああまで徹底的に見せ付けられれば、子供ですらペスターよりも火事の方が怖いと感じんじゃないでしょうか(笑)。
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…おっと、こっち↑は再生環境がビミョー、かつ画質もイマイチなので、
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どっちが良いか、スマホで例えれば、メジャーな3キャリアか格安スマホのどちらを選ぶかに似てますね(笑)。