『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』を観ました。
3大魔法学校対抗試合が数年ぶりに開催される事になり、ダームストラングとボーバトン、両学校の選手たちがホグワーツにやって来る。
代表選手は炎のゴブレットにより各校より一人づつ選出されるが、ホグワーツからはセドリック、そしてハリーの名までもが挙がる。
炎のゴブレットに選ばれた者が参加する鉄則は変えられず、そのまま試合は始まるものの、多くの生徒、そしてロンまでもがハリーの選出は不正によるものだと疑いの目を向ける。
ホグワーツに危機が迫っている事を察知しながらも試合を見守る教師たち。そして3つ目の試練で、ハリーに悲劇と恐怖がやって来る……といったお話。
シリーズ第4作目であり、シリーズ第1章の完結作……と呼んでも間違いじゃないかな?
これまでの作品単体としての起承転結はあったけど、ならシリーズとしての最終目的って何なの?と思っていた方々にとっては、よ~やく本格的にお話が動き出すって事で待ちくたびれていたんじゃないでしょうか。
逆に、今までの雰囲気が好きだった人は今作、もしくは次作で脱落しちゃうかもしれませんね。
ハリーらも4年生になり、“服従”“苦痛”、そして“死”を与えるという、禁じられた呪文を学びます(実践はしないけど)。
これまでに教わった自己防衛から一歩進んで、能動的に相手を攻撃するための呪文が登場するあたり、いよいよシリーズが本格的にシリアス路線に転じると予感させます。
余談ですが、現実ではネットで“死ね”という言葉が気安く使われ、近頃では場をわきまえずにこれを発言すると逮捕or書類送検されるようになりましたが、マグルには気取られにくいであろう“アバダ・ケダブラ”を使えばいいのにな(アズカバン送りになっても当方は一切関知しません)。
迫り来る危機を予感をしながらも、ハリーらには別の戦いが待ち受けています。
その敵とは、思春期。
ハリーらももう14歳ですしね、友達との確執や異性への恋慕の情といった、そのくらいの世代が抱える情操に悩まされます。代表に選抜されたハリーに対するロンの複雑な感情や、ダンスパーティーの相手選びとかね。
特にパーティーのシーンは、次作以降ではこんなノホホンとしていられないと予感させる、いわば最後の晩餐みたいな感じですかね。ここに関しては、役である以上に、役者が本来の子供としてテンションが上がる撮影だったとか聞いちゃうと、年寄りはほっこりするなぁ(笑)。
あそこで一番の見どころはハーマイオニーのドレス姿。演じるエマ・ワトソンさんも可愛い→綺麗の仲間入りを果たしていますよね。階段を降りるシーンを見れば、この子は一生、美人のまま生きて行くんだろうなと確信しますよ。
クライマックス~ラストでは、そんな甘酸っぱい記憶が一気に消え去るような、これまでに培ったシリアス要素を集約する出来事が発生します。
まぁ、次作=『~不死鳥の騎士団』の紹介文が、イコール今作の最大のネタバレでもあるから執拗に隠す真似もしないんですが(笑)、ハッピーエンドで終わらないような、シリーズの転換を表す終わり方は、否応なしにも次作への期待を膨らませてくれます。
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Blu-ray版の映像特典にある、司会が主役3人をゲストに迎えて作品について語り合うものがありましたが、あれはテレビ番組なんですかね? 日本で作られる映画も決して少なくないし、作品関係者を招いた映画のトーク番組とか日本でもやって欲しいですね。無駄な宣伝のないNHKで。
この中で、ダニエル・ラドクリフさんが日本のファン(レター)は熱量が高いと言及していましたが、まぁ日本人のごく一部でしょうが(笑)、作り手側のモチベーションに繋がってくれるならそれはそれで嬉しい事ですよね。
そんな日本人の中の、さらなるごくごく一部のファン(1人!)がここに登場しているのは驚きでした。好きが高じればこうまでできるのかと感心します。