読んだ、『拳児2』 | Joon's blog

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どんな傑作にも100点を、どんな駄作でも0点を与えないのが信念です

…なっ、いつの間にこんなものが出てるとは!って事で、遅ればせながら『拳児2』を買いましたよ。

 

原案を担当していた松田隆智さんは亡くなってしまい、そのお弟子さんにが武術の監修をした上での続編で、作画の方はもちろん藤原芳秀さん。

藤原さんの作画は前作とさほど変わらず、相も変らぬ達筆です。上手いのか下手なのかビミョーな作画も稀にありますが、“達筆”とは凡人に理解できないものですから(笑)。

 

さらに、シナリオの方も相変わらずで、まさに前作=『拳児』の世界を踏襲していますね。デジャヴとでも言いますか(笑)。

ひょんなきっかけで知り合った他人と、初めは反目しあっているけど、武術を通して仲良くなるという黄金パターンは相変わらず。『拳児』という世界観の魅力の一つだと思います。

拳児は大勢の武術家と一戦交えてきましたが、その後には必ず仲良くなる、もしくは理解し合える関係を築きます。そんなもんだから、特に中国における交友関係はだいぶ広いです(笑)。

その相手の武術家もキチンと信念を持っているんですよね。道は違えど、拳ちゃんと志を同じくしているような者同士ですから、気持ちが通じるところがあるんでしょう。

この唯一の例外こそが、トニー・譚だったんですが。

 

チト話が逸れますが、最近は世界的にすら、漫画が人類に与える影響が高まってきています。すなわち、漫画の中の出来事を現実的に捉えてしまう人が増えているという事です。

そんな連中とは、フィクションの極みたる漫画(やアニメ)を、我々が生きている現実の出来事として大マジに捉えてしまう病人です。

つい先日の『サザエさん』における、磯野家がゴールデンウィークについて話していた事を不謹慎だとかアヤを付けるような奴らとか、虚実の境が付かない時点で精神病の一種と断言してもいいくらい(笑)。

 

『拳児2』に話を戻しますが、そんな連中ほど、本作の1話にあるイジメ問題に関して、さぞかし大いに文句を垂れている事でしょう。出版社に直にクレームを入れるような重症患者もいたかな(笑)?

なにしろ、前作でもそうでしたが、いじめられっ子ができるのは、やられたらやり返す事だとと説いているんですからね。

まぁ、近年のお優しい時代においては、あるまじき行為だと目くじらを立てる親も多いんでしょう。

でも、暴力ありきのイジメに関しては、本作で言っている事を実践してみるのも一つの手段じゃないかなぁ。反抗の意思を見せるだけでも、こちらが人形ではない事をアピールしないといけないんじゃないかと思うんです。

先ほどは漫画はフィクションの極みと言いましたが、それをそのまんま真似をするのは単なるバカですが、考え方や生き方の一つの参考にするのは大いに結構だと思います。

…ただ、これは直接的な暴力に関してのみ有効な話で、昨今の小賢しい子供のイジメは、ネットを利用するような陰湿なものが増えていると言いますからねぇ。

 

…と、これだけ読んでいると社会派漫画と思われそうですが(笑)、そんな要素も僅かながらに含みつつも、ノーテンキな言い回しで表すなら、拳法アクション漫画です。

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アクション作品とは、すなわち暴力ありきの作品です。極論ですが。

けど、その暴力を行使せざるを得ない理由もキチンと説いているのが好きな作品です。