観た、『アルファヴィル』 | Joon's blog

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『アルファヴィル』を観ました。

 

新聞記者イワンとして、α都市(=アルファヴィル)にやって来たレミー。
彼の任務はα都市を管理する巨大コンピューターα60を作ったフォン・ブラウン教授と、行方をくらました情報員アンリの捜索。
世話役に就いた教授の娘ナターシャと共に行動を開始するレミー。
その中でレミーはアンリを発見し、α60の破壊を託されるが……といったお話。

本作はSFとしてジャンルされます。
SF映画の典型と言えば『2001年宇宙の旅』を思い浮かべますが、これに通じるようなビジュアルは本作には微塵たりともありません。

「ろくにメカも登場しない作品なんてSFじゃねぇ!」とか、日本のロボットアニメに毒されたアニメバカに見られそうな固定観念を持つ人には不向きな作品です。俺ッチにもその気があるけど(笑)。
それ故に、SF作品としては不思議な感じのする作品です。
舞台もどこかの街の界隈(パリだそうな)でしかないし、しかもレトロな感じ。レトロフューチャーっていうんですかね? この辺の時代考証を突き詰めるような無粋な真似はしませんが。

"ゴダール”“モノクロ”“スタジオカナル”という共通ワードを抱えている事を知ってしまうと、『勝手にしやがれ』等のBlu-rayにあったクソ字幕の悪夢がチラつき、ちょっと集中しづらいです。
「元気です、ありがとう、どういたしまして」
なんてのを初めて見た際には、やりやがったなと思いましたもん(笑)。
これに関しては返事として使われているようで、ニュアンス的には“了解しました”を意味する言葉のようです。かつ、α都市、もしくはα60の管理下に置かれた人間の特徴を表しているのかもしれません。
他にも、"150光年前"なんて言葉も出てきますが、これは一体…(笑)。

そんなワードのみならず、演出や設定やら、謎な描写が本作には多々あります。
何かの公式(E=mc2等)が挿入されたり、いきなり無音になったりとか。
おそらく、その辺の真意は何回観ても分からないでしょうが、それでいいんです。

だってゴダールさんの作品なんだから仕方ない!の一言で片付けましょうよ(笑)? わからなくたっていいじゃないか、ゴダールだもの。

 

ゴダールさんと言えば、ヒロインのキャスティングも絶妙なんですよね。

今作のヒロインであるナターシャを演じるアンナ・カレーニアさん。

アメリカ映画のヒロインが“綺麗”なら、フランス映画におけるそれは“可愛い”で、アンナさんもその例外に漏れず、それどころか典型ですね。

俺ッチの若い頃は、美しいとされるクラシック映画の女優とは、確かに綺麗ではあるけど、時代なりの古さを感じたものです。いい歳になると、そんな偏見もなくなりますね。

加えて、フランス映画に関しては衣装も可愛いものが多いんです。

一部のマニアが崇めるカルト作品ってあるじゃないですか?
本作に関しては、“映画通の俺が知ってるマイナー作品”を紹介する雑記ですら見掛けた事がありません。
題材のみならず、アメリカ映画のような明快さもないので、かなり観る人を選ぶ作品という証でしょうか?
ベクトル的には『ブレードランナー』や『未来世紀ブラジル』(こっちの方が色濃い)に近いので、そのあたりが好きな人には、どうにか(笑)面白さを見い出せるんじゃないかな?
俺ッチはまだ1度しか観ていませんが、この先も何度か観返したくなるであろう作品になりました。
まぁまぁ眠くなるから、そうしょっちゅうは観ないけど(笑)。

 

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映像特典は予告編のみ、吹き替え音声もない最低限仕様です。