『ジャッカス3』を観ました。
ある時は宙を舞い、ある時は猛獣に挑み、ある時は全力で走り抜ける――今日もそんな命懸けのミッションに立ち向かう男たち、ジャッカスの大活躍を描いた作品です。
…とか言ってみましたが、本作にストーリー要素というものはありません。
ローラースケートを履いてバッファローの群れに向かって行ったり、歯に糸を付けてランボルギーニ(確かムルシエラゴ)の超加速で引っ張って抜歯したり、戦闘機のジェット噴射口(ノズル)の前で吹き飛ばされたりと、いい大人が小学生レベルの発想を実行する姿をまとめた映像集です。
本作最大の褒め言葉は「くだらねぇ」じゃないでしょうか。
ただ↑に挙げたような、微笑ましい程度の(?)くだらない事ばかりではなく、けっこうドギツい笑いも少なくありません。
それこそ小学生の大好きなウンコ&ションベンネタも欠かしていないので、生理的に受け付けない人も少なくないと思います。オモシロ映像集とは言え、家族が揃って食事をしながら観るような作品ではありません。
特に現代における日本の、お上品なユルユルのお笑い感覚に慣れている人には刺激が強すぎるので要注意どころか、見ない方がいいですよ。
鉄道模型のジオラマが出たら、即座に食事は止めましょう(笑)。
怖い・痛い・汚いの3拍子が本作の基本ですが、最初と最後に出る警告文。
危ないことをしているのはスタントマンかバカです
良い子やクソガキ、幼稚な大人の人は絶対にマネしないように
まぁ、そんな警告も本物のバカには通じないんだけどね(笑)。
劇中のアクション(?)を真似して大ケガをしたぞ、どうしてくれるんだコノヤロー的なクレームも来る事でしょう。
でも本作を観た人、特に楽しめた人からすれば、そんなイチャモンは無粋の極み。実際に試してみないと分からない奴こそバカなんだと嘲笑われる事でしょう。
なら、実際にやってる出演者は何なんだよと思うかもしれません。
少なからずケガはしてるものの、出演者(not俳優)たちは実は運動神経抜群です。
痛がっているように見せて実際にも痛いんでしょうけど(笑)、寸前のところで受け身のようなものを取れるくらいのセンスを持っていると思います。
でもなきゃ、死人続出でソッコー終了しているはずでしょ(笑)?
危ないアクションは多々あるけど、安全管理ができる技術者がバックにいるからこそ、あれだけ思い切り良くジャッカスな真似ができるんじゃないかな?
通りすがるところを物陰に隠れて……という、いわゆるドッキリネタも多いです。しかも、だいぶ度が過ぎたような。
けど、それをやった方のみならず、やられた方も笑って済ませちゃうんですよ。
そんなジャッカスのメンバーたちがアッケラカンとしていられるのは、腹を割った仲間だからこそ許し合えているんでしょうね。
そんな清々しさが実は本作の秀逸な点であり、ああいうドギツい笑いでも安心して見ていられる理由の一つなんだと思います。
あんまカンケーないけど、本作が公開されたのは2011年という事を鑑みて。
『アメトーーク』における、芸人体当たりシミュレーションや高速度カメラによる超スローモーション映像等は、少なからず本作の影響を受けているように見えます。
本音としては、日本でも『ジャッカス』のような作品を作ってみたい欲ががあるんでしょう。
けど、今の日本では娯楽を蝕む“こんぷらいあんす”なんて言葉が横行しているので、確実に不可能です。
かく言う俺ッチも、もし同じ事を日本でやっていたら嫌悪感を抱くでしょうね。こいつらユーチューバーなんじゃねぇの?とか(笑)。
俺ッチの中で『ジャッカス』は、“異世界”ならぬ、アメリカという“異社会”で起きている事、つまり自分にはまるで関係ない所で起きている他人事と捉えているから、フィクションの延長として楽しめているんだと思います。
てなワケで、久々に『ジャッカス』シリーズを観ましたが、ななんと2021年に新作が公開されるとか!
ふと想像すると、こんなのを映画館という環境下で観るのって、スゲー複雑ですけど(笑)。
これは家族連れが集まるようなシネコンには来ないだろうなぁ…(笑)。
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メイキングのみならず、削除されたシーンが映像特典にありますが、本編であれだけやっておいて(笑)、何が理由で削除されたのかとかサッパリ分かりません。
まぁ、短編映像集なので、こうやって1編でも多く見れる状況を作ってくれるのはありがたいんですがね。
過去作もBlu-ray化してくんないかなぁ。