『スピード2』を観ました。
確かにね、公開当時、前作を観た上で今作を観ていれば、おおよそ世間の評判と同じような感想を抱くものです。
けど、あれからもう20年くらいかな? それほどのスパンを開けて再見してみると、そこまでヒドい作品ではない事に気付きます。
前作を超える事はないんだけど、単品として観れば、それなりに面白いとは思うんだけどなぁ。
本作を面白くない理由としてよく見かけたのは、
1.タイトルに反してスピード感がない
2.ジェーソン・パトリックの魅力に欠ける
3.サンドラ・ブロックがハシャぎすぎ←(笑)
と言ったあたりでしょうか?
1に関しては、今作での舞台は豪華客船。
外から見れば緩やかに走ってるだけだからって、客船を外から映すシーンも少ないんだし、これは単なる言い掛かり。
船内におけるストーリー展開(に伴うシーンやカット割り等)は決して緩慢ではないし、時間に追われる焦燥感を当たり前に描いてもいたと思います。
無線による連絡もできず、周囲の力も借りられず、人質が(簡単には)脱出できない状況下にある移動体に乗っているシチュエーションは、なにげに前作を踏襲してるんだよね。ちょっとした密室劇にもなっているんだな。
2に関しての、ジェーソン・パトリックさん演じるアレックスは、実は時代を先駆けすぎていたキャラです。
表情の変化に乏しいと言われていましたが(これは役の上での話なのに…)、ヒーローっぽい行動を起こす時は無表情でもいいんですが、サンドラさん演じるアニーとイチャつく時にすら表情の変わらない、浮つくべき時にすら無表情でいるところがオトボケ感があって面白いんじゃないかと。
逆に、歯を見せてハハハとか笑っちゃう方が、中途半端にヘンなキャラになっちゃうんじゃないかな。
3に関しては……まぁ仕方ないんですよ、結果的にアニーの災難を描いたシリーズなんだから(笑)。
前作ではバスを運転するという大役を仰せつかり、そんなアクティブさがアニーの魅力でもありましたが、だからって今作では船を操縦していたら、ほとんど動けないし、魅力も台無しです。
よって、アニーはあっちこっちで騒ぎまくるくらいでちょうど良いんです(笑)。
当時のサンドラさん人気も、アニー役にイメージを重ねている所もあったんじゃないかな?
あ、1に関して補足。
船の緩慢な動きにスピード感がないのは確かだとして、ゆっくりしているからこそ、ジワジワやって来る恐怖に近い緊迫感もあります。
特に終盤のシークエンスは、ただただ圧巻の一言。THEハリウッド映画!と失笑すら起こります。
あれだけの質量を持った船は、もはや巨大な建築物。それが街を蹂躙する画は、ちょっとし巨大怪獣映画ですよ(笑)。
所々であからさまなCGが見えますが、それ以外は、おそらくは全部本物なのかな? つまんない作品と思っている人も、このシーンに関しては少なからず圧倒されるはずです。
逆に、今観るとありきたり感があるのが、敵役のウィレム・デフォーさん演じるガイガーの背景。
あ、デフォーさんの嬉々とした怪演はいいんですよ(悪役が板に付いてきたのは本作あたりからかな?)。
ガイガーは、会社に貢献してきたのに、働きすぎが原因で体調を崩した途端、ソッコー解雇された事を恨んで犯行に及びます。まぁリストラ(に近いもの)ですね。
今ではリストラも普及(?)し、そんな世相を反映してか、映画の中でもそれを理由に犯行に走る悪役も増えました。そういう意味では、またかよ感は抱かずにいられません。はしりにはなっているんだけど。
ところで、近年のハリウッド映画界は、ウン十年前の作品の続編が作られる事が珍しくなくなりました。
本シリーズの続編も、まさかのまさかであり得ない話ではないと思うんですよね。
その際は、前作のジャックとヨリを戻している可能性もあるかな? 雰囲気的に、アレックスとは長く続かなさそうなので…(笑)。
ところで、日本における本作のBlu-rayって、
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↑が初出だったみたいですね。
つまり、『スピード』の豪華版の一映像特典にしかすぎなかったってんだから、これは何たる不憫、かつ不遇!
ようやく単品として発売されたので、
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当ブログ効果により気が向いた人は、久しぶりに見てあげて下さいな、安いし。