今、TVKにて放送している『ウルトラゾーン』。本放送は、もう何年か前でしたよね。
タイトルに“ウルトラ”と付くけど、ウルトラマンは一切出ず、あくまで怪獣を主役に置いた番組です。
怪獣バラエティ番組というだけあってか、特定の懐柔を主役に置いたショートコントが主たる内容。
怪獣が整体に行ったり、美容師をやっていたり、本来の設定に準拠しつつも、人間の社会に溶け込んでいる姿が不条理であり、そこが面白いんです。
本編ではあくどい事をやっている星人がチャラ男調に喋るとか、フツーにヘンじゃないですか(笑)?
怪獣の声を当てている俳優の芝居も絶妙で、ある程度の脚本はあるんだろうけど、半分以上がアドリブに聞こえるんですよね。特に、バカリズムさんはああいう役がよく似合います。
…と言った感じで、腹を抱えて大笑いするには至らないけど、まぁ面白いんじゃない?と思っていたんですが…。
中盤あたりからショートコントではなく、ミニドラマ枠が激増するんですが、もうね~……これが1ミリも面白くないんですよ。
ちょっとばかり映画的なものが作れると過信した連中が、自分が好きだった『ウルトラQ』風のドラマを作ってみたような感じですかね。
ストーリーも練っているし、映像技術も駆使しているから、これを単なる自己満ムービーとまで蔑みはしないけど、少なからず自己顕示欲ムービーであるようには思えます。
キチンとドラマが作りたいなら、新たに番組を立ち上げて勝負すればいいのに。
話は逸れますが、その昔『笑いの金メダル』というバラエティ番組がありました。
お笑い芸人がダラダラと喋ってるだけの番組が増殖していた当時において、芸人の本来あるべき姿である漫才をするだけという内容が、実に意欲的だと感心し、よく見ていたものです。
…なんだけど、徐々に漫才の時間が減って行き、最終的には毎度お馴染み、VTRをみんなで眺めるだけの3流バラエティ番組に成り下がってしまいました。
――本作を観ていると、どうも↑とダブってしまうんですよね。
現在第20回くらいなんですが、今やショートコントなんか皆無に等しいんですよ(笑)。
21世紀に入ってからも、“ウルトラQ”の名を関する作品はいくつか作られています。
けど、『ウルトラQ』が好きだった人が、どれだけそれらを評価しているのかは疑問です。俺ッチは『ネオ・ウルトラQ』は観ましたが、その面白さが伝わる事はありませんでした…。
詰めが甘かったり物足りない点がどれだけあったとしても、あの時代の作品だからこそ、『ウルトラQ』は面白く感じるんです。
…って事で、『ウルトラゾーン』はもう見るの止めます。録ったのも全削除。
唯一の心残りは、なにげにサボってばかりの(笑)タカダ・リホ隊員の姿を拝めなくなる点くらいかなぁ…。