「…そうそう、日曜の19:30からやってたじゃん、アニメの、世界名作劇場シリーズ。どれが好きだった?」
――と聞かれれば、『フランダースの犬』だの『アルプスの少女ハイジ』だの『母をたずねて三千里』だの、最近はほとんどやらなくなった“日本のアニメベスト100”的な番組で確実に出てくる作品名が返ってくる事が多いと思うんです。
「…パトラッシュ、僕もう(以下略)」のくだりとか、あそこだけ見て条件反射的に泣ける連中って何なんだろう。パブロフの犬かよと。
それはさておき、↑のような問いに対する俺ッチの回答はオンリーワン、
『ロミオの青い空』! スパッツァカミーノ(←後半は言わなくなる)!
本作が放送されていた頃、翌日(=月曜日)の会社or学校を考えて軽い鬱になってしまう、いわゆる“サザエさん症候群”に陥ってしまった時、19:30から始まる本作を観る事で、少しは気が晴れたどころか、心が現れた人も少なくないと思うんです。
そんなだから、むしろ、悩み多き大人や中高生あたりに人気があったんじゃないかな。
世界名作劇場というと、主人公が辛い境遇に追いやられるイメージが強いですよね。特に、イビりとか。
本作にもそんな要素はあるし、そもそも人身売買がストーリーの発端となるんだから、実はダークな話にもなり得るんです。
けど、そうはならないのが本作の魅力で、主人公ロミオを初めとする少年たち=黒い兄弟のひたむきな姿を見れば清々しい気持ちになれるのです。
現在、狼団との決闘あたりまで鑑賞しました。
公式には設定されていないけど、個人的には↑は第3章に当たると思うんです。
第1章 ソノーニョ村から旅立つ
第2章 売られた先で(ある程度の)自由を得る
第3章 黒い兄弟が発足される
第4章 アンジェレッタ編
第5章 アルフレド(&ビアンカ)編
第6章 最終回まで
全体的には、こんな感じ? あくまで個人的な見解ですが。
おそらく、本作で最も辛いのは第2章かな?
ロミオは売られた先で、住み込みで働く事になるんですが、この家が問題で。
ロッシ親方の頭が上がらない事をいいことに、妻のエッダはやりたい放題の上、スゲー意地悪。さらに母親の血を色濃く受け継いだであろう、息子のアンゼルモのクズっぷりは、否応にもドラマを盛り上げてくれます。
けど、そんな生き地獄がいつまでも続くはずもなく、やっと誠意が伝わった時の喜びはロミオだけでなく、見ている我々としても嬉しく、感動します。
14話はロッシ親方が葛藤に踏ん切りをつけ、男を見せる回でもあるので、カタルシス全開です。…あー、思い出しただけでも泣けてきちゃう…。
泣けると言えば、最低でもあと3話分は泣く予定なので、分かる人は想像してやって下さい。