かなり遅まきながら、『機動戦士Vガンダム』を観始めました。
放送が終わって20年以上も経過した時分に初見するんですが、おそらく放映当時に観てもピンと来なかったと思うんです。
歳を取り、それなりに視野も広がった今になってから観る方が、いちいち深みを感じて、面白く感じるかも。
もしくは、幾度となく観ても、いちいち新たな発見がある……個人的に、そこに富野(ガンダム)作品の面白さを感じるんですよね。
逆を言えば、一度観ただけではそんなに面白くないという(笑)。
元々、ヴィクトリーガンダムは4話からの登場を考えていたが、スポンサーは1話から出せと言う。
――そんな裏話を知った上で1話から観始めると、なるほど、機転を利かせて上手く逃げていると気付くんですよ。
今となっては、さほど目新しい手法ではないかもしれませんが、20年前にやっていた事を思えば、やはり感心する他ないでしょう。
この頃のスポンサー=バンダイの傍若無人ぶりは目に余る所がありますが、そんなムチャ振りに堪え忍びながら走りきった先人たちの努力があればこそ、今のガンダムマーケットが存在するんですよね。
ガンダムが登場しない回がある『オルフェンズ』の作風とか、この頃には考えられなかった事だろうなぁ。
さて、現在は1クールくらいまで観終えました。
正直……似たような背景が多いせいか、ストーリーの抑揚が地味なんですよね。
特にシャクティは事あるごとにカサレリアに帰ろう帰ろう言うし、カルルはうるせーし(笑)、この二人が邪魔で邪魔で(笑)。
シャクティは人間の良心の象徴だから仕方ないけど、ぶっちゃけウッソも煙たがってるんだろうなぁ(笑)。
あと、カルルを演じているこおろぎさとみさんは、今ではあのハチャメチャな幼稚園児の妹役として知られていますが、何しろ声量が驚異的です。
個人的に、ある程度の意思の疎通ができる少年より、それができないに等しい赤ん坊を演じるのって、スゲー難しいと思うんだ。
極限状態に陥っている時にビービー泣き喚く赤ん坊は本当に耳障りだし、それをどうにもできないのも逼迫感を共感させるための演出だとは言え……シャクティには、なるべくカルルを泣かせないよう頑張って欲しいものです…。
ヴィクトリーの格の低さも驚けます。
まさか、ここまでアッサリと使い捨てちゃうのかよと(笑)。
まぁ、そもそもオンリーワンの機体で最後まで戦い抜けるのもレアケースどころか、あり得ない話ですから。
この辺は『装甲騎兵ボトムズ』の方が先駆けてますがね。
やっぱ富野作品の面白さは、台詞回し。
会話の中での台詞は相手に伝える事を優先するからいいんですが、コクピット内での台詞は基本的に独り言。
つまり、誰に聞かせるものではないから、感情の機微のまま、本能的に出た言葉ゆえ、訳の分からない台詞が多いのも仕方ないんですよね。緊迫感は伝わるんですが。
てな感じで、これから先も面白くなりそうな予感はあるので、最後まで楽しみにしてるぞ~。