今さらかい!とツッコまれそうですが、ようやく『新・牡丹と薔薇』を観終えました。
鑑賞中は時間の流れが速く感じるのみならず、否応なく見入ってしまう→ドッと疲れるので、なるべく集中できるタイミングでないと見る気が起きなかったため、こんな時期になってしまいました。
って事で、全話の鑑賞を終えましたが……やっぱり疲れますね(笑)。
印象的なシーンを5つ選べとか言われたら、5つぽっちじゃ全然足りませんよ。ほぼ毎回において衝撃イベントがあるんだから…。
数十年の間、確実に人一倍は映像作品を見てきた俺ッチですが、あんな末路を辿ったキャラを見たのは今作が初めてです。…この辺、知っている人なら、あの人を指しているんだなと気付いてもらえるはずです(笑)。
序盤からもそうでしたが、特に終盤に掛けての世奈子がドラマを面白くしてくれました。
得てして、いかなるドラマも人間が2人以上いる限り、対立関係は少なからずも必ず描かれます。
今作のような作品にはそれがあってこそですが、いわゆる“イヤな奴”というのは状況を引っ掻き回す、つまりドラマに抑揚を付けるためには不可欠なキーパーソン。“イヤな奴”が奔放に振る舞うほど、ドラマは盛り上がるものなのです。
それはさておき……世奈子を演じた田中美奈子さんの、全地球人を敵に回す事も厭わないようなまでの(笑)力演も良かった。
正直、世奈子に感情移入できる人って、ごくごく僅かだと思います。
でも、世奈子の境遇を鑑みれば、ただのイヤミなババアだと一蹴できないんですよね。たまーに見せる、嫌味を散々言い終えた後、悔し泣きしそうになる表情とかが良い味出してたし。
そんな世奈子を悪人と捉えず、むしろ世奈子の味方として演じていたんだから、力演に繋がるのも当然ですよね。田中さん、グッジョブすぎるぜ!
最終回=41話を観て思ったのは、やや打ち切りの臭いがするような終わり方だったなぁと。
40話を観終えて、それまでの流れを知っていれば、少なくともあと5話は引っ張れた、もしくはあと5話は必要だろうと思うんだ。
ネット等ではインパクト大なシーンばかりが注目されますが、そればかりをかいつまんでばかりでは、本作の魅力は堪能できません。
繰り言になりますが、かつての大映ドラマが面白いと感じるアラフォー以上の人にはオススメの作品です。
あそこまでやりたい放題(笑)なテレビドラマは、あと5年は出てこない(と思う)ので、面白いと感じる連ドラに出会えず欲求不満気味の人にもオススメです。
…って、映像ソフト、出てないのかよっ? CXさん、深夜にでも再放送を!
この先はネタバレ文章なので、気になる方はどうにかして読んでみて下さい。
最終回に関してですが…。
ファンタジーとスリラー、どちらとして解釈すれば良いのか、難しいですね。
前者として捉えれば、精神が壊れ廃人と化した富貴子の体に、牡丹の魂が乗り移った。
後者であれば、富貴子が病み上がりで精神が不安定な状態であるのをいい事に(?)、牡丹を真似た一挙一動を教え込み(人っ気のない場所というのも好都合だし)、まるで洗脳のごとく美輪子の人形にしてしまう……とか、洋画でありそうなサイコスリラー調な展開を想像してしまいます。
どちらにせよ、その辺の解釈を視聴者に委ねるような曖昧さは、ちょっと映画的な締め方だったと思います。