買った、『日本名作シナリオ選』 | Joon's blog

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どんな傑作にも100点を、どんな駄作でも0点を与えないのが信念です

そろそろ20年近く定期購読している『シナリオ』。

これ、本気で脚本家を目指す人に向けた本、という趣があるんですよね。やや排他的な雰囲気もあるし、手に取った全ての人がウェルカムではない事は確実です。

 

プロを目指すには程遠い俺ッチの場合、商業誌に掲載されているシナリオとは、映画と密接にリンクした読み物だと捉えています。

まずはシナリオを読み、シーンを想像する。その後に映画を観てみて、自分のイメージとどれほどの差異があるかを楽しむ……どーです、暗めの楽しみ方でしょ(笑)?

けど、こんな楽しみ方もヘンではないらしく、プロの脚本家の方々が言うには、まずシナリオを読んだ後で映画を観て、さらにもう一度シナリオを読む事で作品を理解できる、と。

まぁ、これは作り手側に立っている人に向けた言葉ですが、ちょっと変わった体で映画を楽しんでみたい人にはオススメかもしれません。

 

――って事で、そんな『シナリオ』の別冊、『日本名作シナリオ選』を買いました。もちろん上下巻。

掲載作品はメンドイので割愛。気になる方は、↓で調べてみて下さい。

 

ハッキリ言うまでもなく、古い作品ばかりです(最新で1978年)。

確たる“名作”の基準は俺ッチには分かんないけど、その道ウン十年の年寄り、別名大ベテランが良しとする作品を知ってみたいと思う方々は、一読してみるのも良いんじゃないかな。

 

↑、Amazonのリンクを張ってはあるけど、俺ッチが買ったのは書店です。

発売直後どころか、今後もネットに出回らなさそうな気配もあったので、何十年ぶりに書店で注文したんですね。

…ここで思ったのは、出版業界がネットに圧されている理由。

俺ッチが考えるに、無料で中身を吟味できる書店の販売形態もそろそろ一考すべき時期ではないかと思うけど、それはさておき…。

昔に比べればマシにはなったものの、本って相変わらず取り寄せに時間が掛かるんだよね(今回の場合は約1週間でしたが)。

待った挙げ句、

ってな感じで、最初から状態の良くないものをよこされる時もあるんだからガッカリですよ。気に入らないので返品→また取り寄せとか待ってらんねーからって、ここで妥協してしまう自分も良くないんだけど…。

どこまで汚ったねー状態でも定価販売を原則とするんだから、本の販売形態って無責任っつーか、サービス悪いよなぁ。

 

そして、『~上巻』にはちょっとした付録も付いています。

…まぁ、正誤表が付くだけマシなんでしょうかね、誤記がない方が珍しい今の刊行物からすれば。

で、さっそく読み始めてみると…、

いきなり脱力…。

こんなのが1ページ目の一言目に来ちゃうんだから失笑です。未だに“ウォシャウスキー兄弟”と表記するのとはワケが違うんだぞと(笑)。

まだ全部を読み切ってないんだけど、この先、こういうデタラメが多々あるんだろうなと思うと、満足度の低いクソ高い買い物をしちゃったのかなーと失意の念に駆られます。

 

繰り言になりますが、本誌に載っているのは1933~1978年に公開された、スゲー古い作品ばかりを集めた本です。

話は少し逸れますが、『踊る大捜査線』等で有名な君塚良一さんが2000年に行った公開講座で、新しい映画を観る事を前提とした上で、古い映画に関してこんな事を言っていました。

「僕にしてみれば、古いのはテンポが悪いので駄目なんです。それと、そこから学ぼうなんていう姿勢が既に駄目ですね。だって、その当時、誰も学ぼうと思って観てないし、学ばせよう思って作っていなくて、楽しませようとか、今で言えば1800円分、お客さんに何かを伝えようと思って作っているわけだから、これの構成を学ぼうとかいうところで駄目ですね。映画に対して失礼だし、作り手に対して失礼です」(『シナリオ』2000年1月号より)

これは一部の抜粋ですが、この言葉の前後を読んだところで、俺ッチには納得が行きませんでした。人生は勉強の連続、その中に温故知新は確実にあると思っているので…。

って事で、この言葉に納得できる人には、今回紹介した本はオススメしませんので悪しからず。