ジライヤ 27years after | Joon's blog

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どんな傑作にも100点を、どんな駄作でも0点を与えないのが信念です

『スーパーヒーロー大戦Z』にも出たので、あと10年も待てば何か動きがあるかなーと思っていましたが、ようやく来ましたよ……あのファイティング忍者が!
戸隠流正統、ジライヤ!
まさかまさかの『手裏剣戦隊ニンニンジャー』で、スパ戦以外のヒーローとのコラボ!との事ですが、バスターズにギャバンが登場した前例もあるので、そこまでの驚きじゃないんですがね。
とりあえずジライヤってのが嬉しいじゃあーりませんか。聖徳太子も喜んでいる事でしょう。

往年のヒーローが登場するとの事で、
「いいか天晴、忍びとは見えない悪を倒して平和に変える事なんだ」
「俺は…この地球を抱き止める、そんなデカい心が欲しい」
…と言った、主題歌の詞をセリフに使ってキメッ!というガッカリパターンを邪推していましたが、それがなかっただけでも意外。主題歌の引用がない事もなかったけど、それを恩着せがましく見せないのが好印象でした。
そんな、にわか仕込みは荒川稔久のお家芸だね(笑)。

主題歌は何回も見るものだし、それ故に多くの人の印象に残るものですが、歌のみならず、映像で当時を思い出させる趣向が面白いと思いました。
高所からのダイブやロープスイング、トラックの荷台に飛び移ったり、まさかOLさんがひしめくオフィスを経由するシーンまで、いちいち&わざわざ撮り直してるんだから、水準位以上のこだわりを感じますよ(笑)。
アバンタイトルの、(水の術→)風&火炎の術のコンボは、♪ジライヤ 風になれ ジライヤ 炎に変われ♪を再現してるのかもしれませんね。

インストゥルメンタルでない主題歌を使ったのも目頭が熱くなりましたが、劇伴まで当時のものを使用しているんだから、これは燃えます。『海賊戦隊ゴーカイジャー』も、この辺の大人の事情をクリアして臨めば、もっと熱いシーンが続出したんでしょうが…。

で、俺ッチ的に『ジライヤ』と言えば、ジライヤではなく山地闘破です。
個人的に闘破は、数ある東映ヒーロー群の、変身前の人間に魅力を感じるキャラの3本指に入る1人。
超人的な能力も(ほとんど)ないだけでなく、半強制的ながら(笑)家事も出来るし、労働の対価として得たお金で生活をしているというあたり、我々のような市井の民に限りなく目線が近い、いわば庶民なんですよね。
だからこそ、普通の変身ヒーローよりも親しみを感じるだけでなく、近しい存在であるようにも思えます。
演じている筒井巧さんも実にさわやか野郎で、山地闘破が健全なキャラになっているのは、この人あっての事だと思うんです。

『ジライヤ』の世界におけるヒーローは、当然ながらジライヤ。けど、闘破→ジライヤになるのは“変身”ではなく、単なる“装着”にすぎません。
ジライヤスーツを纏っている時は便宜的に“ジライヤ”と呼ばれますが、本来なら“闘破”のままである事が正解。
つまり、超常めいた力を振るうのではなく、多少の奇術が使える程度の人間同士のお話なんですよね。
余談ながら、このテの東映ヒーロー作品としては珍しく、『ジライヤ』のエンディングには“ジライヤ”=変身後の姿は登場しません。
ホームドラマ的な話が多かった序盤を考えれば、人間を描く事に重きを置いた作品を目指そうとしていた表れなのかなぁとも想像できるんですよね。
ちなみに、変身後の姿が登場しないエンディング映像の前例としては『怪傑ズバット』まで遡りますが、あれを“変身ヒーロー”と呼ぶには異色すぎるので…(笑)。

そんな変身(装着)の前後でのギャップが少ないところがジライヤの魅力であるからこそ、今回の『ニンニン』ではなるべく第2装着を控えて欲しかったんですよねぇ(もちろんジライバスターもNG)。
現在の筒井さんがジライヤスーツを装着するシーンはあったんだしさー、『ジライヤ』に登場する忍者は目が見えているからこそ人間味があるのにさー…。
ただ、ラストニンジャの孫達に慢心はイカンという事を説くのは良かったなぁ。
なにしろ闘破は、慢心→完敗→反省→勝利というパターンがしょっちゅうあったからね(笑)。まぁ、1度反省した事であっても、ついつい繰り返してしまうあたりも人間臭くて良いんですよ。
まぁ何にせよ、戸隠流宗家の35代目になれて良かったです。“戸隠流35代目宗家 山地闘破”のテロップが出た時は感無量で泣きそうになったよ…。

…ところで、先ほど『ニンニン』の公式HPを見たんですが、筒井さんが着ていた道着(胸に“武神”って書いてあるヤツ)。
使い込んでる感が上手く出ているなぁと思っていたけど、ななんと当時の衣装だったとは!