“仮面ライダーがサッカーとコラボ!”なんて触れ込みでしたが、ま~、鑑賞前の不安たるや。どんなムチャ振りコラボなんだよと。
でも、そんな強引な組み合わせありきの作劇って想像力が命なので、ある意味、作家冥利に尽きる作品ですよね。大変そうだけど。
・サッカーのシーンを含む
・変身前&後のライダーを全員出す
・ゲスト=新キャラの見せ場も作る
おそらく、これらを盛り込む事が作劇上のノルマだったんじゃないかと。これだけでも十分難しいはず。
それを踏まえた上で、破綻ももほとんどなく、ムリのないストーリー展開に見えたので、これは脚本が良かったって事なんでしょうかね。米村正二さんも見習えよ。
ストーリーも良かったけど、特に今作はアクションが秀逸。
特に、中盤の市街戦は熱い! バロンさんのヘンなバイクはさておいて(笑)。
監督の金田治さんも言っていますが、鎧武(の世界)には馬がよく似合う! あんだけ自由度の低そうな着ぐるみを着けているだけでなく、さらにソニックアロー両手撃ち(手綱にはノータッチ!)なんてやっちゃうんだから、見ている方もヒヤヒヤですよ…。
『鎧武』という作品を知っていれば、ほぼオールキャストってのが驚き。
初瀬ちゃんや裕也まで出てくるだけでなく、それなりに出番やセリフもあるんだから、これはTV版を観ている人にとっては一種のご褒美ですよ。
TV版のチョイ役であっても、ジグソーパズルのごとく、1ピースをも大事にする『W』や『フォーゼ』のようなファンサービスって嬉しいですよね。
極めて個人的には、ダウン・タウン・ブギウギバンドが好きなオッサンが考えたとしか思えない名前の湊耀子=佃井皆美さんが、地味に待遇が良くて満足。
ある意味、ミッチと共に勝者だったしね。
どんな状況であっても(笑)タイトなミニスカ、細っせ~ナマ足で蹴り技を出しまくる佃井ちゃんはカッコ良いんです! 変身しない方が強いんです(笑)!
今作では片岡愛之助さんが登場していますが、ここんとこの夏ライダー映画は、ゲストにベテラン俳優を呼べる傾向が確実になってきて、“映画”という、いつもとは違う空気が漂うっつーか、“映画”としての風格が身に付いてきたような感じがしますね。
そーいや、かつて『W』の映画に登場した松岡充さんのお声掛けによりスピンオフ作品がリリースされましたが、かつて劇場版に登場した悪役ライダー大集結!とかやってくんないかなぁ。平成VS昭和とかより、よっぽど面白そうなんだけど。
ある意味、邦画史に残る作品になると思うんだけど……実現する際は、特にギャランティに関する製作費度外視でしょうが…(笑)。
ゲストの1人である中山雅史さん、選手時代の仕事ぶりは分かんないけど、芝居に関しては意外にイケてる気がします。俳優業をやるのであれば、こういうノリの作品が似合ってるかも。
『ハピネスチャージプリキュア!』、略して『ハチャプリ』(←流行らせようぜ!)での声優業もイイ感じでしたしね。
ちなみに、俺ッチの芝居に関する観点は、声が出ているかどうかを基準に考えています。
『仮面ライダー鎧武 サッカー大決戦!黄金の果実争奪戦杯』を観てきました。併映だし。