いい歳になっただけではないと思うけど、最近NHKの番組に面白味を感じるようになりました。
本作もそう思える番組の一つで、久々にリアルタイムで全話を観た作品です。
ついでに、本作の次の枠にやってた『書店員ミチルの身の上話』も全話観たかったんだけど……BSあたりで再放送してっ。
かつて罪を犯し、刑務所に入っていた芭子と綾香が、過去を隠しながらも前を見て生きていく、と言った感じのストーリー。
特に無頼を気取る男であれば、ムショ暮らしを自慢げに話したがるものですが、それを羨望の眼差しで見てしまう人間がいるからこそ、話す方も調子に乗っちゃうんだよね。
本作の場合はこれと正反対で、芭子と綾香は自分の犯した罪を猛省するものの、他人は犯罪者として煙たがる。本来ならこれが正しい犯罪者の扱われ方であり、司法以外で課せられる罰とも言えるでしょう。
そして、世の中にはこの二人のように過ちを悔い、更生しようと努める人もいます。
本作を観た上で、犯罪者予備軍を自覚できる人は、実際に刑務所になんか入ってしまったら、出所後のあれだけの孤独に耐えられるかどうかと考えて欲しい。
また、常々“死んでしまえ”と言ってしまうような人は、元犯罪者の中には真剣に社会復帰を目指す者もいるし、そう努める者もいると理解してやる事も必要だと気付いて欲しい……そんな社会的なメッセージを含んだ作品に思えます
まぁ、現実には、二人の刑務所仲間である香江子のような人が多いのかもしれません。出所後にも再び手を染めてしまうような。
そーいや、香江子が二人の過去をバラす時、「人殺しとホスト狂いのくせによ!」みたいな事を言いますが、ホスト狂いだけじゃ犯罪者には結び付かないよね(笑)。
家族の絆についても描かれていますが、個人的に、こっちのテーマは正直どっちでもいいです(笑)。
とは言え、最終回、芭子さんが実家の前を通り過ぎようとした際の、とあるシーンには泣きましたがね(そこに至るまでに伏線も張ってあった事だし)。
冷酷に徹しようとするものの、やっぱり親子の情を捨てられないお母さんが、最終的には芭子さんを許すのは予想していたけど、実際にそういう終わり方になってホントに良かったです。最終回、泣きそうになるのを必死で堪える浅野温子さんの芝居が印象的でした。
上戸さんが出てるってのも観続けた理由の一つ。
…だったんですが、笑顔の可愛さが最強レベルである上戸さんが辛そうな顔をしてばかりだったので、観ているこちら側も滅入ったものです…(笑)。