岩瀬成子の児童文学作品『マルの背中』をひたすら読み込む。
少女の、預けられた猫のマルや周りの大人たちの人間模様を描いている。
少女の母が離婚して、父や弟とも離れ離れ。
お母さんが「一緒に死のうか」と冗談を言う形から始まる。
その点では、今、ありがちな環境だが、そんなに暗い話ではなく、少女の瑞々しい感性がいつもの、岩瀬成子語りで語り尽くされる物語。
1ページごとに、岩瀬成子の凄さがわかるから、とてもページがめくれない。
分析できても、その数が多すぎて、とても処理が追いつかず、事実上、トレースは不可能。
何より全編、トレースしたら、まんま岩瀬成子になってしまう。
困ったもんだ。
もっと単純な作品を選べばよかったかもしれないが、それは短編で過去にしたことがあるからね。
岩瀬さんの作品を読むと、ストーリー的にはちょっと変わった主人公の少女の、周囲の友達との心理的な孤立やズレを丁寧に描いているだけだ。
これだけ書くと、同工異曲。
でも、1篇、1篇どれも詳細は違う。
読後感もまるで違って感じさせられる。
少女たちの心の屈曲がどれも違うし、周りの人たちの鬱屈の曲がりぐあいも違うからだ。
僕は、どう逆立ちしても、岩瀬成子になれないけれど、その爪の垢を今、集めて飲んでいるつもり。
それが多すぎて、消化しきれない。笑
ただ、必死で分析しているが、疲れて、2日かけて、まだ30%ほど。
きっと100%できる頃には、初めの方は忘れている。
意味がないから、途中で自作を創作開始するつもり。
たとえ、途中でもいいから、岩瀬成子の語りを真似て文章化してみるのだ。
昨日は、夕方からはAmazonプライムへどっぷり逃げた。
アニメ『もののがたり』を第1シーズンと、今、放映中の第2シーズンの放送分までを視聴し続けた。
悪の付喪神と戦う主人公たちとヒロインとの恋の話。
とても面白い。
これは、見なければ一生の損だ。