ひたすら読み、考えるクロード・シモンの『路面電車』と、上田岳弘の『私の恋人』をひたすら読む。どちらも、一般的な小説とはかけ離れた作品。しかも、敢えて交互に読むという変則的なやり方で。見るべきはストーリーじゃない。非ストーリー的な要素。因果プロットと、段落パラグラフの、まとめ方だ。人物と人物の、関係性も。同時に、自分が今まで身につけてきた小説らしさのセオリーを確認しつつ、それとの適合性を吟味する。思い込みはないか、勘違いしてなかったか。現代詩的ななんでもありからの、見方で、小説を分解、分析を繰り返してみる。