講演会③ 有名、元編集者の根本昌夫さんの講義 | 読書と、現代詩・小説創作、猫を愛する人たちへ送る。(32分の1の毎日の努力を綴る)

読書と、現代詩・小説創作、猫を愛する人たちへ送る。(32分の1の毎日の努力を綴る)

文学創作と大学通信等を書いています。【やりたい夢(小説家)がある1/2→夢を叶える努力をする1/4→完成作を応募(挑戦)する1/8→落選する1/16→落選しても諦めず・また努力・挑戦する1/32】(=日々、この1/32の努力を綴るブログです。笑)

昨日、仕事が終わって、出張先から慌てて大阪へ向かいました。

中之島の朝日カルチャーセンターで、文藝雑誌『海燕』の元編集者で、
去年は二人も自身の創作教室から芥川賞作家を誕生させた凄腕の、
根本昌夫さんの講義がありました。

たった90分の、1回限りの講義で何が勉強できるんだろう、
と半分くらい疑いつつの申し込みでしたが、
杞憂でした。

とても良かったです。
基本、根本さんの恩師で早稲田大学教授であり作家・文芸評論家でもあった平岡篤頼さんの最終講義録をテキストに、
講義は勧められます。

単に口頭で述べるのではなく、
その平岡さんが芥川賞候補になって、該当作なしで終わるドキュメンタリー番組や、
根本さんご自身が、稲垣吾郎くんの番組へ出演したときの番組なども見せて、
受講生を飽きさせませんでした。

特に、印象的だったのは、
「小説はスラスラ読む力だけでなく、これは何だと留まらせる力も必要だ」の考え方。
これには、目から鱗が落ちました。

それに関連して、平岡さんが翻訳したヌーヴォ・ロマンの仏文学の小説のことや、
ラストは、北村太郎さんの詩まで引用して、
「小説や文学の持つ構造や重層性」や、「時間的に遅れてくる発見」など、
普段、僕が書くポイントにしていることと、関連したものがバンバン出て来るので、
ドンピシャで、少しシンクロニシティを感じました。

ヌーヴォ・ロマン関係で、倉橋由美子と、金井美恵子の作品を再読したくなった。