昨日からの続きです。
十二国記シリーズを読むと、骨太なメッセージ性がある。
人ならざる者で、魔法や超能力に近いものを持つ永遠の存在である麒麟や、
人から神仙に変じて王となる者など、ファンタジーらしいキャラクターや、
人界とは違う設定のある異世界ものなのだが、
彼らにもそれぞれ越えられない【宿命】がある。
そうした越えられない【宿命】と対峙することから生まれる意思の強弱と、
そこから導かれる残酷なほど鮮やかな失敗・成功が描かれるから、
この話は、圧倒的に支持する熱烈なファンが生まれるのだと思う。
『月の影、影の海』の主人公陽子も、その残酷な運命との抗うプロセスが結果的に彼女の成長を促している。
それを目指すべきだ! と思う。
こうした【天命】という絶対的で抗えぬルールを、設ることで、それと対峙する鮮やかなドラマが生まれる。
十二国記シリーズの小野不由美さんは、精霊の守人シリーズの上橋菜穂子さんとともに、
僕の目指すべき指針であり続けることでしょうね。