ヤマヒキガエルの蘇芳(スオウ)くんは、前回に引き続き、相変わらず調子が悪そうだ。
これは単なるフロッグステープルフードの食べ過ぎではないのかもしれない。
食べ過ぎなら自業自得だが、そうでないなら話は別だ。
このように体が重そうな時、水に浸かると負担が減るのではないかと考え、彼を水入れに入れてみた。
「・・・」
何だろう。
この、世界中の気怠さを体現したような、このムードは。
なかなか、イラッとさせてくれる。
「・・・」
水入れの桟に引っかけていた手すら放し、静かにズルズルと沈んでいった。
・・・、って、おい!
このままでは溺死する勢いだ。
私がテレ朝の刑事物の再放送を観にリビングへ行き、帰ってきたら死んでいそうだ。
これはギャグではなく、ヒキガエルは案外簡単に溺死するカエルである。
きちんと背筋を伸ばせば余裕で水面から顔が出る水深でも、パニクって溺死することもある。
私は便秘気味のヒキガエルどもを、親切心から人間様の風呂釜で水浴させたことがある。
水の量は、風呂の底にちょびっと。余裕で顔を出せる深さだ。
彼等が溺死しない程度の水深にしたつもりであった。
ニホンヒキガエルの冬将軍、ミヤコヒキガエルのマグマ、ナガレヒキガエルの勇魚(イサナ)、そして蘇芳を風呂に入れ、私はリビングに戻った。
去り際、冬将軍がパニクってバチャバチャやっている姿が視界に入ったが、深く考えず風呂場を後にした。
何故なら、溺れるはずのない深さだからだ。
家事をしていて、何となく虫の知らせで、風呂場に戻ってみると、冬将軍が浅い水の中に沈んでいた。
手足をピーンと伸ばし、水底に沈み、微動だにしない。
何故!?普通に座れば呼吸が出来るのに!
私は慌てて彼を救い出した。
手足がダランとなり、眼には生気がないが、何とか生きていた。
後、数分遅ければ、溺死していただろう。
これは子供のヒキガエルの話ではない。
突然の出来事だったため、写真はない。
この過去の経験から、私は蘇芳を水入れから救出したのであった。
こんな小さいスペースでも溺死する可能性があるほど、ヒキガエルは鈍くさいカエルである。
因みにナガレヒキガエルは泳ぐのは得意である。
川の中を魚のように潜水し、器用に泳ぐ姿を、動画で見たことがあるのだ。
その動画を見て、やはりナガレヒキガエルは他のヒキガエルとは別種なんだと思ったのであった。
まあ、顔は似ているが、スマートな体型と、長い手足はまるで別の物である。
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