マヌエラ・カラスコ日本ファイナル公演2024初日と今シーズン初のガスパチョ | 野村眞里子のブログ <オラ・デル・テ>

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一昨日(6月24日)の東京は暑かった。遅くやって来た梅雨だが、梅雨の晴れ間には危険な暑さになる。暑熱順化が追いつかない。

 

一昨日は公演関係の残務整理が順調に進んだ。お医者様の予告通り、3週間以上悩まされていたギックリ腰が、公演終了と共に治ったからだ。

 

(やはり、ストレス性ギックリ腰だった!)(笑)

 

午前中、オンデマンド配信用の動画編集の台本と日本フラメンコ協会の機関誌に載せていただく原稿を書き上げ、午後はJASRACの申請書類を半分ほどやっつけてから、配信予告チラシを取りに三軒茶屋まで出かけた。でも、マヌエラ・カラスコ公演の開演時間まで、まだほんの少し時間があった。

 

というわけで、今シーズン初のガスパチョを作った。昨日の材料は、トマト3個、玉ねぎ1/2個、パプリカがなかったので赤ピーマン1個、きゅうり1本、ニンニク1かけ、水につけて軽くしぼったパン(パン・ドゥ・カンパーニュ! 笑)の中身2枚分、塩少々、エクストラバージンオリーブオイル大さじ3、ワインビネガー大さじ3。これをミキサーにかけ、冷蔵庫で寝かして、渋谷の渋谷区文化総合センター、さくらホールに出かけた。

 

 

 

 

 

 

 

公演の概要とプログラムは下記。

 

『Manuela Carrasco日本ファイナル公演2024』

日時:6月24日(月)19:30、25日(火)13:30

会場:渋谷区文化総合センター「さくらホール」

出演者:

バイレ…マヌエラ・カラスコ、マヌエラ・カラスコ・イハ

カンテ…マヌエル・タニェ、サマラ・カラスコ

ギターペドロ・シエラ

フェステーロ…ルイス・ペーニャ

パーカッション…ホセ・カラスコ

特別ゲスト カンテ…エンリケ“エル・エストレメーニョ”

恭敬出演 ヴァイオリン…森川拓哉

 

プログラム(途中休憩なし、90分)

Prólogo      映像

Bulería al Golpe     Manuela Carrasco

Malagueña         Enrique “El Extremeño”

Bulería Festera      Luis Peña

Fandango          Manuel Tañe

Caña              Manuela Carrasco

Alegría            Manuela Carrasco Hija

Bulería            Zamara Carrasco

Soleá              Manuela Carrasco

 

このメンバーで、この内容が観られるなんて! もう期待しかない。

 

客電がついている中でのプロローグの映像があり、一度緞帳が閉まってから開くと、そこにはマヌエラ・カラスコを囲みミュージシャンたちがいた。大きな拍手。マヌエラは赤系の大きな水玉で、前面には縦にボランテがついたワンピースを着ていた。観る私の方も、久々の生マヌエラに興奮しすぎて、あっと言う間の「ブレリア・アル・ゴルぺ」だった。

 

2曲目からは、少し落ち着いて楽しむことができた。エンリケの歌とギターのバランスに少し音響面の問題を感じたが、それも次第に気にならなくなり、「ベルディアレス」からは背後のオレンジ系の照明やルイスとマヌエルのパルマと共に一気に盛り上げた。エンリケもさすがだ。

 

ルイス・ペーニャの「ブレリア・フェステーラ」はハレオが飛びまくった。なんてカッコいいんだろう!

 

マヌエル・タニェの声が素敵で聞き惚れた。彼、すっかり貫禄が出てきたな。

 

真っ赤な衣装で踊った「カーニャ」では、エンリケとのマントンのやり取りも含めて、往年のマヌエラ・カラスコの舞いを堪能した。マルカールも、一気にたたみかけるエスコビージャも、直線的なブラッソも、少しあごをあげたキメのポーズも…、「マヌエラだ!」と感激。

 

マヌエラが上手に引っ込むと、次の曲では明かりが上手半分に入った。見ると椅子のところにマヌエラ・カラスコ・イハとマヌエラ・カラスコがいて、「娘にチャケータを着せる母」を演じていた。

 

前日インスティトゥト・セルバンテス東京のトークで聞いた、「夫でギタリストのホアキン・アマドールを失ったショックから踊ることをやめよう」と思ったマヌエラが、家族のために再び踊ることを決意したことを象徴したシーン。マヌエラ・イハお披露目を、母マヌエラが応援している何気ないシーンかもしれないが、私は涙腺崩壊。椅子を持って上手に引っ込むマヌエラに「偉大な母」の姿を見た。

 

マヌエラ・イハはピンクのサテンの衣装で「アレグリアス」を踊った。どことなくマヌエラの若い頃の面影を感じた。森川さんの、ヴァイオリンによるエスコビージャのノリがよ過ぎた。最高。

 

次は、サマラによる「ブレリア・フェステーラ」。下手側だけについた明かりの中で、黒地に白いレースの飾りがついたワンピース姿で歌い、踊る。ルイスとは全く違うタイプだが、大きなハレオが会場から飛んだ。迫力の歌が続いた後半には、「アルバ」で少しテイストを変えた。2人の娘のお披露目の仕方に、マヌエラの工夫と愛を感じた。

 

大トリのマヌエラの「ソレア」。ビデオやYou Tubeを含めれば、もう何100回観たかわからない「ソレア」。ホアキンへの想いを綴った短い映像の後、センターから登場。黒に金の飾りがついた衣装、マントン、向かい合うエンリケとマヌエラ。観客も、私も「女王」の踊りに釘付けになった。

 

マヌエラの踊りは、マヌエラにしか踊れない。真似をしてもむなしい。そんな唯一無二の「ソレア」を全身で受け止めて、会場を後にした。友人知人はたくさんいたが、感動をそのまま持ち帰りたくて誰にも声をかけず、1人でバルに入ってビールで喉をうるおした。つまみは辛味メンマとおやじのしゅうまい。

 

 

 

 

 

 

家に帰ると、さっき作って冷蔵庫で寝かしておいたガスパチョがあったので、ソーセージ2種と共に夕飯にした。

 

 

 

 

 

 

 

マヌエラ、素晴らしい舞台を見せてくださって本当にありがとう! ペドロ・シエラ、大切な役目を引き受けてくれたことに、心から感謝しています。共演者、スタッフのみなさま、お疲れさまでした!