『氷艶2024』@横浜アリーナ初日鑑賞 | 野村眞里子のブログ <オラ・デル・テ>

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昨日は、宮沢賢治『銀河鉄道の夜』を下敷きとし、フィギュアスケーター高橋大輔さんが主演をつとめ、主題歌を書き下ろしたゆずがゲスト出演する氷上のミュージカル『氷艶2024~十字星のキセキ~』の初日を観るため、横浜アリーナに出かけた。

 

 

 

 

 

『氷艶』シリーズは、過去3回行われている。『氷艶2017~破沙羅~』『氷艶2019~月光かりの如く~』『氷艶2021~LUXE~』の3つで、そのいずれもがスケールの大きな作品だった。

 

フィギュアスケートと日本文化を融合したストーリー仕立てのアイスショーである『氷艶』。初回の演出は市川染五郎、2回目の演出は宮本亜門、3回目の演出は1回目から振付監修や所作指導にたずさわっていた尾上菊之丞と、宝塚歌劇団の演出家原田諒。そして4回目の今回は、演出原案宮本亜門、演出統括尾上菊之丞だった。

 

 

 

 

 

なお、公演概要は下記。

 

■6月8日(土)~11日(火)『氷艶2024~十字星のキセキ~』

会場:横浜アリーナ

出演:

高橋大輔(カケル)、大野拓朗(トキオ)、村元哉中(ユキ)、荒川静香、エハラマサヒロ、友野一希、島田高志郎、長谷川開、エリアンナ、まりゑ他

スペシャルゲスト:ゆず(主題歌・劇中歌)

 

以下はプログラムの流れ。ネタバレしますので、お気をつけください。

 

第一幕

「プロローグ」

「約束」

「夢の実現」

「転落と絶望」

「銀河鉄道」

「プリオシン海岸」

「ケンタウルス座」

 

(20分の休憩)

 

第二幕

「オープニング」

「鳥捕り」

「白鳥座」

「サソリ座」

「青年の想い」

「命のリンゴ」

「南十字星」

「石炭袋」

「別れ」

「還るべき場所」

「終わりの始まり」

 

同級生だったカケル(高橋大輔)とトキオ(大野拓朗)とユキ(村元哉中)。3人はそれぞれが夢を持っていて、その実現を目指していた。ところが、ユキがバレリーナになって「白鳥の湖」を踊る夢を病気が奪い、同情したカケルがユキと婚約し、そのことに腹をたてたトキオがカケルをなじる。

 

病死? 自殺? 事故死?——冒頭に3人のメインキャストの「死」というショッキングな出来事から始まる『氷艶』だが、そこはエンタテインメントの名演出家が観客を見事に誘導していく。

 

規模は大きく違うが、私も今週フラメンコ公演『タンゴ探しの旅 ~二つの川を渡って~』の作・構成・演出を行うので、いろいろ学ばせていただいた。

 

たとえば、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』を踏まえながらも、壮大なエンタテインメントにしたてていること。ジョバンニとカンパネルラはトキオとカケルに、病気の母はユキに重なる。そして重要なモチーフとなる「銀河鉄道」! トキオはカケルといっしょに不思議な旅を楽しむことになるわけだが、実はそこで出会う人々は「死者」ばかり。トキオは、本当は乗ってはいけない列車に乗ってしまったのだ。そのトキオを、カケルが降ろす。

 

美しい友情のシーンを、高橋さんと大野さんが感動的に演じた。『銀河鉄道の夜』のジョバンニの叫び、「カンパネルラ!」が聞こえるようだった。

 

スケーターが、滑るだけでなく、セリフや歌をたっぷり聞かせてくれるのが今回の『氷艶』。主演の高橋大輔さんはもちろんのこと、えっ、このスケーターまで歌うの⁉ という驚きもあった。後半は、ゆずが生歌で大いに盛り上げる。これからご覧になる方は、どうぞお楽しみに。

 

写真はグッズ売り場の飾りつけ。高橋さんプロデュースの枕を大切そうに抱えた方が多かった。(笑)私は金欠のため、チケットに付いていたプログラムとポストカード(メインキャスト10枚で1000円)のみ購入した。

 

 

 

 

 

 

 

出演者のみなさま、千秋楽までお体に気をつけながら頑張ってください!