南国酋長です。前回アップした南国もののけ少女のお父さんです。南の島の森の奥に住む精霊の酋長さんです。のんびりした南の島でのんびりと暮らしています。何にもしない酋長さんで、いつもボーっとしているのですが、それでも酋長さんなのです。みんなも何もしないでボーっとしているので、それでいいのです。
ところで、脱窒素細菌という細菌の働きについて考えてみました。
脱窒素細菌というのは、土の中の窒素成分を窒素ガスに変えて大気中に戻してしまうため、農業の分野での「肥料泥棒」というイメージを持っていました。微生物学を学んでいたとはいえ、その程度の認識しか持っていませんでした。その後、微生物感染症を扱う仕事をしていたので、生態学的な学びがなく、その認識は変わることはありませんでした。
その後、研究から退き。漫然とながら、微生物について生態学的な勉強をつまみ食い的にしていると(といっても気まぐれ程度の底の浅いたわいもないものですが)、ずいぶん認識を変えられるようになりました。「肥料泥棒」視していた脱窒素細菌が窒素化合物で汚染された水の浄化に用いられていること、化学肥料の多用で起こる地下水汚染を抑制するなど、プラスのイメージを持つようになりました。
それで、自然界での脱窒素細菌の立ち位置を徒然で考えてみると、窒素固定細菌とペアで存在すると考えるのが自然ではないかと思うようになりました。窒素固定細菌はマメ科の植物と共生する根粒細菌がよく知られていますが、大気中の窒素ガスを取り込んで土を肥沃にする働きを持っています。ただ、窒素固定だけが行われていると、当然窒素過多の状態が起こり、それはそれで不都合なわけで、余分な窒素を大気中に戻す働きもなければならず、そこで脱窒素細菌の登場ということになります。
考えてみると、窒素固定細菌と脱窒素細菌は表裏一体の働きをして、ふたつでひとつの作用で自然界のバランスをとっているわけですね。自然は「神の造化」と言われるように、人知を超えた絶妙なものです。
話は変わりますが、菌根菌の本を1冊読み終え、新刊の菌根菌に関する本を注文しました。2週間ほどで手に入ります。植物の生育に細菌はなくてはならないものですが、菌根菌と呼ばれる糸状菌(カビ)も植物の存在には必須のもののようです。微生物とはまさに生態系の土台。細菌やカビなくして人間の存在もないわけで、生態学的に微生物を学ぶことは、とても大切なことだと思う今日この頃です。
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