黄昏森のふたりが現世の路地裏を訪ねてみた
(文と画像は関係ありません。)
空を見上げるなんて、
何年振りだろう。
もう空の蒼さも忘れてしまった。
太陽は白々しく明るすぎて、
僕には縁がないと思っていた。
せいぜい罪のない嘘つきぐらいにしか思えなかった。
あんたがどれだけ明るくても照らせないものがある。
そんなものばかり僕は見ていた。
おかげであの娘を夏のビーチにも連れていけなかった。
路地裏の野良猫ふぜいにはあんたは眩し過ぎる。
入り組んだ路地と狭く切り取られた空には、
黄昏がよく似合う。
僕は手をかざす。
それでもまともにあんたを見られない。
(それは遠い過去の心象です。)
かつての、夏のビーチにも連れていけなかったあの娘と僕は、
今ではこんな田舎に住んでいます。
それでも、ふたりっきりでさまよっていたあの頃と、
あんまりかわっていないなあと思うのです。
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