不登校をへて海外遍歴 学歴が無くても人生を開いた | 黄昏黒猫屋敷ー布人形とイラストの小部屋

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世間からかなりずれている管理人、黄昏黒猫堂こと黒猫が自作人形やイラストを発表しつつ、ニート、ひきこもりなど生きずらさを考える。(画像一覧で作品を見ていただけるとうれしいです。)

 仮にAさんと呼ぼう。Aさんは小学校4年生から不登校になり、中学も通わなかった。Aさんが通っていた小学校はとても管理主義的で、Aさんは順応しようと懸命だったけれども、精神的に追い詰められ、その状態が両親の目から見ても尋常ではなく、学校に行かなくなった。そして両親はAさんを自由にしてくれた。Aさんはフリースクールに通ったが、そこはデモクラティックスクールといってもよいほど生徒の自主性を尊重し、生徒たちで様々な活動をしていた。それはとても充実した日々だったという。

やがてフリースクールを終えたAさんは進学もせず、アルバイトをしては、貯めたお金で海外の様々な国を旅した。語学の好きなAさんは語学留学をしたこともある。Aさんは世界を旅して、様々な人々と出会い、たくさんのものを見てきた。そしてAさんは大手の旅行会社の採用試験を受けた。Aさんには学歴がない。中学校にも行っていなかった。Aさんは語学留学の経験があるとはいえ、その履歴は基本的にアルバイトと世界放浪だ。それで大手旅行会社を受けるというのは無謀とも見える。履歴書には自分の旅行履歴を書いただけだった。だが、見る人は見るものだ。Aさんは見事合格して採用された。

就職してからのAさんの仕事ぶりは優秀で、現場の支店長を経て、本社の幹部に抜擢された。中学も行かず、学歴もないAさんの経歴は、世間的に見ればわけのわからないものかもしれない。それでもAさんの経験は非常に豊かなものだった。採用担当者の目は確かなものだったと言える。Aさんは社会的に不利な履歴を、その体験でひっくり返した。

僕は世間的に成功することがすべてとは思わない。Aさんの成功をもって、不登校であっても社会で成功できると言うつもりもない。第一、世間的な成功など、不登校をしたかどうかなどとは関係ないと思っている。僕らが人生を生きる時に、トラップはいたるところに口を開けていて、誰がいつ、どんなトラップにはまるかなど、それは誰も予測などできないものだろう。ただ、学校だけがすべてではない、それだけで安心できるものでもないし、それだけで心が満たされるものでもない。人それぞれが、一人として同じ人間ではないように、人それぞれが必要としているものも、たぶん違うのだと思う。不登校になった当人、そして親は単に学校に行く、行かないかよりも、自分たちがどう生きていくのかをまず考えた方がよいと思う。そのうえで学校に戻るもよし、違う方向を目指すもよしなのだと思う。

 

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