子供の悲劇 躾という名のうっぷんばらし | 黄昏黒猫屋敷ー布人形とイラストの小部屋

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世間からかなりずれている管理人、黄昏黒猫堂こと黒猫が自作人形やイラストを発表しつつ、ニート、ひきこもりなど生きずらさを考える。(画像一覧で作品を見ていただけるとうれしいです。)

 

 初代ガンダムでのアムロの名セリフ、「親父にだって殴られたことはないのに。」がありました。声優さんが、父親が息子をボコボコに殴るあの「巨人の星」の星飛雄馬の声優と同じ古谷徹さんなので、笑いました。貧困の連鎖同様に体罰の連鎖というものもあるようです。

 僕の父は、体罰はよくないと考えていた祖父に育てられたせいか、父が僕を叩いたことは一度もありませんでした。一方、母の祖父は厳格な人で、子供たちから恐れられていたようです。どちらがいいとは言い切れませんが、父方の親戚がおおむね平穏だったのに比べて、母方はトラブルを抱える家庭が多く、解決能力もないので、父が母方の親戚の尻拭いをすることも多かったです。

 実は、母は父に隠れて僕や弟に体罰を加えることがありました。ですが、常に理性的な父を見ていると、わかってしまうんですね。母は今、機嫌が悪いと。父という比較対象があったので、母が感情的になっているだけだと、それは見え見えでした。理路整然としている父の言動、しかも情に厚い。躾を口にする母に、それは違うだろ、と軽蔑の気持ちさえ起ってしまいます。母はよく身内自慢をしますが、それは結局父や父方の親戚の援助があってのことだろ。子供ながらに思ってしまいます。

 それと、母には人格のゆがみがあります。弟が心理の専門職なので、その点もわかっています。それから母方の親戚に児童虐待がありました。それを助けたのも父です。虐待の連鎖のある家系では、自分たちで問題解決をする力はありません。体罰という名の躾は、容易に虐待に走ります。そしてそれは連鎖します。

 父のおかげで僕は虐待をまぬがれましたが、父なき後に歯止めを失い、暴走した母のおかげで、僕ら一家は追い詰められました。僕のうつ病、息子の不登校、娘のひきこもり、その発端は母です。本当に世代間連鎖とは恐ろしいものです。弟と母のことを話すこともありますが、「無理だ、手に負えない。頭の柔らかい若いうちならともかく、もう今ではどうにもならない。」という話に落ち着いてしまいます。娘の仇のような憎い母ですが。母もまた被害者でもあります。

 躾の名のもとに命を奪われる子供たちが後を絶ちません。それから、虐待を受けた子供は虐待を繰り返します。この連鎖はどこかで止めなければなりません。この問題が話題になるはるか以前に、母方の親戚のことながら、私人として取り組んでいた父には本当に頭が下がります。虐待の問題はその子供たちに爪痕を残し、僕の家庭は母のおかげですっかりそこなわれている現状がありますが、癌で亡くなった父がそのことを知る由もないことは、幸いと思います。

 

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