今日は火曜日。僕は家路を急ぐ。
6時半からアニメ「ブラック・クローバー」を娘と一緒に見るため。
「ブラック・クローバー」は僕らふたりのお気に入りだ。
魔導士たちが活躍する、久々の王道ファンタジーだ。
でも、主人公のアスタは魔法を使えない。
そのかわり、相手の魔法を無力化するアンチ魔法能力がある。
そのアンチ魔法能力だけで魔法騎士としてのし上がっていく。
外れ者のヒーローだ。
アスタはけっして主流ではないけれど、くさらず、無邪気に生きていく。
娘はⅡ型双極性障害をかかえている。
短い軽そう状態以外は長い鬱状態を耐えなければならない。
障害の性質上、抗うつ薬は使えない。治ることも期待できない。
成人した去年から障害年金を受給している。
ブラック・クローバーを見ている娘の目は輝いている。
今はただ、日々娘が平穏であれと願うばかりだ。
僕も娘も魔法を使えない。
でも、僕と娘のアンチ魔法って何だろうって考える。
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