＃４のコントですが、独立しているので、
＃１、＃２、＃３を読んでいなくても楽しめます。
ちなみに、＃１はこちら。
＃２はこちら。
＃３はこちら。
代官
「ふっふっふ。
越後屋、お主も相当のワルよのう。」
越後屋
「いえいえ、お代官さまほどではありません。」
代官
「いやいや、この街の中でもいちにを争うワルよ。」
越後屋
「そうでございますか。
ありがとうございます。」
代官
「それに引き換え、備前屋ときたら・・・。」
越後屋
「備前屋がどうかしましたか？」
代官
「アイツ、全然ワルじゃないんだよ。」
越後屋
「そうなのですか？」
代官
「知ってる？
アイツ、街の人に物を売ってお金稼いでんだよ。」
越後屋
「えぇ、まぁ商人ですからね。」
代官
「一方、越後屋、お主は備前屋と違ってワルよのう。」
越後屋
「え、いや、わたしも商売はしてますよ？」
代官
「え・・・。
お前、ワルじゃないのか？」
越後屋
「ワルですよ。
自分でワルって言っちゃうのも結構恥ずかしいですけど。」
代官
「え、でもさっき商売してるって・・・。」
越後屋
「商売はしてます。商人ですから。
世間的にはまともな商売やってるように見せて、裏では・・・ってやつです。」
代官
「すげーじゃん！賢い！」
越後屋
「そうでもないです。
お代官さまだって、代官やられてるじゃないですか。」
代官
「代官・・・？」
越後屋
「えぇ。」
代官
「ごめん。
正直代官って何だかわかってないんだけど。」
越後屋
「わかってないのに代官務まるんですか？」
代官
「うん。
なんか務まる。」
越後屋
「代官って、そんな未経験ＯＫ的な職でしたっけ？」
代官
「なんか、みんながお菓子くれて
その下に隠してある小判もくれるから
『ワルよのう』ってお礼言ってる。」
越後屋
「ごめんなさい。
『ワルよのう』はお礼の言葉じゃないです。」
代官
「違うの？！」
越後屋
「違いますよ！」
代官
「今までずっとお礼の言葉として使ってたんだけど。」
越後屋
「だとしたら『お主も相当のワルよのう』は
『お主も相当のありがとう』になっちゃいますよ。」
代官
「あ、ホントだ。」
越後屋
「大丈夫ですか？
変なところで使ってないですよね？」
代官
「今朝も使った。」
越後屋
「えぇ？」
代官
「電車でここに来る途中に席をゆずってくれる人がいたから、
その人に『ワルよのう』って一声かけた。」
越後屋
「あぁ、もう恥ずかしい！」
代官
「あと握手会の時とかでも、
一人一人に『ワルよのう』『ワルよのう』って
心を込めて言いながら握手してた。」
越後屋
「ごめんなさい。
まず、代官って握手会開くような職業じゃないです。」
代官
「えーと、ちなみにわたしはワル？」
越後屋
「ワルです。」
代官
「代官じゃなくて？」
越後屋
「代官でもあり、ワルでもあります。」
代官
「併用できるの？」
越後屋
「できます。」
代官
「じゃあ、備前屋はワル？」
越後屋
「あの人はワルではないです。」
代官
「ってことは、備前屋は代官？」
越後屋
「代官でもないです。」
代官
「ワルでも代官でもない・・・。
じゃああの人はなんなの？」
越後屋
「備前屋です。」
代官
「あー、なんかわかってきたかも。」
越後屋
「わかりましたか。」
代官
「越後屋は・・・備前屋？」
越後屋
「越後屋です。」
代官
「代官？」
越後屋
「違います。」
代官
「ワルじゃないよね？」
越後屋
「ワルです！
ぜんぜんわかってないですね。」
代官
「ごめん。
えーと、お主は？」
越後屋
「越後屋です！」
代官
「備前屋？」
越後屋
「越後屋です！」
代官
「代官？」
越後屋
「あなたです！」
代官
「ワルじゃないよね？」
越後屋
「ワルです！」
代官
「じゃあ、お主と越後屋の違いは？」
越後屋
「お主＝越後屋です！」
代官
「あ、お主と越後屋は同一人物なんだ！」
越後屋
「そうです！」
代官
「なるほどなるほど。
見えてきた。」
越後屋
「・・・一応誤解がないように言いますと、
お主＝越後屋なのは、わたしと話している時限定ですからね。」
代官
「わたし・・・？」
越後屋
「はい。」
代官
「わたしは・・・越後屋？」
越後屋
「終わんねぇぞ、このやりとり！！」
どうしても、権力者役はかわいい言い回しにしたくなるんですよね。
言葉の応酬の２人コント。
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【お題コント】邪馬台国
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