＃２のコントですが、独立しているので、
＃１を読んでいなくても楽しめます。
ちなみに、＃１はこちら！
ふくびき係
「はい。ふくびき券１枚ですねー。
では、こちらを時計回りに回してくださーい。」
早見
「あ、はい（ふくびきを回し始める）。」
ふくびき係
「さぁー、何が出ますかー。」
玉が落ちる音
「コロッ！」
ふくびき係
「あ、出ましたね。」
早見
「何等ですか？」
男
「（通りかかり、ふくびきの玉を見て）ん？！
ち、ちょっといいかね！？」
早見
「（男に割り込まれ）な、なんですか？」
男
「この色は・・・、この形は・・・？」
早見
「何ですか？
（ふくびき係に）すみません。
この人、誰ですか？」
ふくびき係
「さぁ。
毎日ふくびきの様子を見に来てるみたいでしたが・・・。」
男
「うん、うん。
この色、この輝き、間違いない・・・！」
早見
「あの・・・、すみません。」
男
「ん？
あぁ、突然割り込んですまなかった。
ワタシはこういう者だ（名刺を渡す）。」
早見
「（名刺を見る）天神大学ふくびき科教授・福野誉（ふくのほまれ）。
えーと、ふくびき科・・・？」
教授
「そう。ふくびきについて研究しておる。」
早見
「研究したところで・・・って気がしますけど。
・・・また、福野誉っておめでたい名前ですね。」
教授
「そうだろ？」
早見
「カタカナで書いたら競走馬の名前っぽいですね。
もしくは米の名前。」
教授
「まさに、ふくびきを研究するためにつけられた名前って感じだよな。」
早見
「『ふくびきを研究するためにつけられた名前』っていうのがよくわからないですけど。」
教授
「その意思を継いで見事教授になった。」
早見
「ご両親は何と？」
教授
「泣いてた。」
早見
「・・・なるほど。」
教授
「ワタシの研究室では全国のふくびき会場を検知するレーダーを開発し、
ふくびき会場を見つけてはこうして出向いている。」
早見
「そのレーダーはどういう原理でふくびき会場を見つけてるんですか？
ふくびき会場から何か出てるんですか？」
教授
「レーダーがこの町の商店街のふくびき会場を察知して、
毎日様子を見ていたが・・・、
このふくびきの玉・・・、まちがいない！
新種だ！」
早見
「いや、新種も何もふくびき担当の人が入れただけですから。」
教授
「ワタシのこれまでの研究の中でもこのタイプの色は見たことない。」
早見
「いや、普通に白ですよ。」
教授
「白って２００色あんねん。」
早見
「何でアンミカ引用したんですか？」
教授
「日本では見たことないが・・・確か・・・。」
早見
「何なんだよ、この人は。」
教授
「確か・・・
ワタシの記憶ではアマゾンの奥地の商店街のふくびきで、
確かこのタイプの色を使っていたハズ。」
早見
「ごめんなさい。
まずアマゾンの奥地に商店街の概念あるんですか。
あったとして、ふくびきの概念あるんですか。」
教授
「とりあえずこの新種発見は次の学会で発表しよう！」
早見
「あるんですか？
ふくびき学会。」
教授
「作る！」
早見
「ないんですね。」
教授
「キミ！
新種を発見した今の率直な感想を聞かせてくれ！」
早見
「ふくびきやるんじゃなかった。」
教授
「そうだ！
この新種にキミが名前をつけてくれ！」
早見
「名前？」
教授
「新種が発見されたら名前をつけるのは当然の流れだ！」
早見
「じゃあ・・・『ガラガラ』で。」
教授
「なるほど。
いまいちパッとしないが、いい名だ。」
早見
「いや、気に入らないんなら変えていいですよ？」
教授
「大丈夫！
センスは皆無だが、ワタシは好きだ。」
早見
「うん。
その一度ディスってからのフォローなんなんですか？」
教授
「『ガラガラ』と。
よしデータベース登録。」
早見
「他の玉にも名前ついてるんですか？」
教授
「あぁ。」
早見
「例えば一等の金色の玉の名前は？」
教授
「『キラキラ』だ。」
早見
「似たようなもんじゃないですか。」
ふくびき係
「あの・・・。」
早見
「あ、すみません。
こっちの人に気を取られてふくびきの結果を聞くの忘れてました。
これ何等ですか？」
ふくびき係
「残念賞です。」
早見
「いや、ハズレかい！！」
ふくびき係
「こちら残念賞のふくびき券になります。」
早見
「永久ループ！！」
随分前から「ふくびき機から誰も見たことがない玉が出てきたら？」という設定は考えていたのですが、
そこにふくびきを研究している教授が通りかかるという設定が加わり、このような形になりました。
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