おじいさん
「あ、もしもし。
先日、そちらで鹿のはく製を注文したものですが。」
おばあさん
「つながった？」
おじいさん
「（ばあさんに向かってうなづく）さきほど、現物が届いたのですが、
ちょっと確認させていただきたいことがありまして。」
おばあさん
「（段ボールの中を見て）・・・。」
おじいさん
「私たちが注文した鹿のはく製とイメージが違うんです。
私たちがイメージしてたのはお金持ちの家にある鹿の頭部のはく製です。」
おばあさん
「（段ボールの中を見て）はぁ・・・。」
おじいさん
「届いたのは鹿の首から下の部分のはく製なんですけど。」
おばあさん
「（段ボールから鹿の胴体のはく製が出てくる）」
おじいさん
「『そういうご注文では？』じゃないです。
そういうご注文ではないです。
逆にそんなご注文あるんですか？」
おばあさん
「（はく製を段ボールにしまう）はぁ・・・。」
おじいさん
「とりあえず、さっき飾って見ましたが、
突進した鹿が壁にめり込んだみたいな感じになって撤去しましたよ。
お隣さんに見せてみたら、第一声が『うわぁ・・・』でしたよ。」
おばあさん
（段ボールにガムテープを貼っている）
おじいさん
「これキャンセルです。
クーリングオフ。
そりゃそうですよ。
思ったのと違ったんですから。」
おばあさん
（返品準備中）
おじいさん
「・・・確かに６８０円は安いなとは思いましたけど、
はく製業界の相場がわからないから、
そんなものなのかなと思って買ったんです。
そしたら、こんなジョークグッズが届くなんて・・・。」
おばあさん
（返品準備中）
おじいさん
「ジョークグッズですよ。
ドンキとかで売ってるやつですよ。
とにかく、今からこれは送り返します。」
おばあさん
（伝票に住所を書いている）
おじいさん
「全部ですよ。
各部屋１こずつと思って５つも買っちゃって。
そしたら、５個買ったらもう１個ついてくるキャンペーンで６個目も来ちゃって。
試しにトイレに置いてみたら邪魔で仕方なくて。
お隣さんに見せたら『うわぁ・・・』って言われましたよ。」
おばあさん
（伝票を段ボールに貼っていく）
おじいさん
「とにかく、これらは全部送り返すんで返金お願いします。
・・・はい、そうです。
・・・え？」
おばあさん
「・・・どうしました？」
おじいさん
「『特殊ギミックはお試しになられましたか？』だって。」
おばあさん
「特殊ギミック？」
おじいさん
「なんですか、その特殊ギミックって。」
おばあさん
（段ボールからはく製を１つだけ取り出す）
おじいさん
「その特殊ギミック次第では返品自体を再検討します。」
おばあさん
（段ボールのガムテープをはがす）
おじいさん
「この鹿の胴体のはく製の足の裏をくすぐると・・・？」
おばあさん
（段ボールから鹿の足だけ出して、足の裏をくすぐる）
おじいさん
「その鹿の頭部のはく製が笑い出す・・・、と。」
おばあさん
「・・・（段ボールにはく製をしまい、フタを閉じる）。」
おじいさん
「・・・返品でお願いします。」
（同時刻。とあるお金持ちの家）
鹿のはく製の頭
「うひゃひゃ！うひゃひゃ！うひゃひゃひゃひゃ！！」
その一家の家族
「・・・（食事の手を止めて、鹿の頭部のはく製を見ている）」
前々から、「鹿のはく製で使われなかった部分」はコントにできるなと思ってました。
もしかしたら、世界のどこかにはそんなジョークグッズ本当にあるかもしれないですね。
【コント】今日はクリスマス＃４
【コント】将棋
【コント】白雪姫と七人の小人
【コント】三年寝太郎
【コント】わらしべ長者
今後のコント作りの励みになるので、ぜひ、感想をお聞かせください。
本ブログのコントは自由に演じていただいて構いません。
アレンジや改変も自由です。
アメブロのメッセージ機能やtwitterのＤＭで一言いただけると、励みになります。