【予告状】
今夜8時、名画・プロヴァンスの食卓を頂戴する。

怪盗ホワイト
 



丹波
「(やってくる)白田部長。」

部長
「あぁ、丹波くん、ちょうどいいところに来た。
 申し訳ないけど、今日、私、定時で帰るから。」

丹波
「どうかされたんですか?
 体調不良とか?」

部長
「いや、ただの私用だ。」

丹波
「了解しました。
 ところで部長、ひとついいですか?」

部長
「どうした?」

丹波
「たった今、社内のメーリングリストに変なメールが届きまして。」

部長
「変なメール?」

丹波
「なんか、『今夜8時、名画・プロヴァンスの食卓を頂戴する。怪盗ホワイト。』って。」

部長
「なんだ、そりゃ。」

丹波
「よくわかりません。
 ・・・予告状でしょうか?
 でも、心当たりのあるメンバーがいなくて・・・。」

部長
「気にしなくていいんじゃないか?」

丹波
「そうですね。
 失礼しました(自席に戻る)。」

部長
「(丹波が戻ったのを見て、急いで自分のパソコンを立ち上げ、確認する)間違えて送ってる・・・(頭を抱える)!
 まぁ、社内のメアドじゃなかったから、バレてはないと思うけど・・・。」

セバスチャン
「(やってくる)坊っちゃま。」

部長
「あぁ、執事のセバスチャンか。

 堂々と会社に入ってくるの、やめろよ。」

 

セバスチャン
「大丈夫です。

 ちゃんと、周りに人がいないことを確認してから来ております。

 そんなことより、予告状は送られましたか?」

部長
「いや、まだだ。」

セバスチャン
「忘れないようにしてくださいね。
 今夜ですから。」

部長
「あぁ、大丈夫。」

セバスチャン
「では、後ほど。(帰っていく)」

部長
「早く、予告状を送らないと・・・。」

丹波
「(遠くから)白田部長ー。」

部長
「(堂々としたそぶりで)ん、どうした?」

丹波
「なんか、さっきのメールですけど、顧客先のメーリングリストも宛先に入ってたみたいで。」

部長
「そうなのか?」

丹波
「ただ、お客さんも『気にしなくていいんじゃない?』と言ってました。」

部長
「そうか。」

丹波
「では、失礼します(自席に戻る)。」

部長
「(丹波が戻ったのを見て、改めて自分のパソコンを確認する)確かにお客さんにも送ってる・・・!(頭を抱える)」

丹波
「(遠くから)白田部長ー。」

部長
「(堂々として)どうした?」

丹波
「今、チーム内ではあの予告状のことで持ちきりです!」

部長
「仕事をしなさい、仕事を。」

丹波
「怪盗ホワイトって、ププッ!
 笑っちゃいますよね!」

部長
「笑うんじゃないよ。
 本人は真剣なんだから。」

丹波
「だって、怪盗ホワイトって・・・!」

セバスチャン
「(やってくる)坊っちゃま、予告状は送られましたか?」

丹波
「(セバスチャンを見て)誰ですか?」

部長
「マズい!!
 不審者だー!不審者がいるぞー!」


(警備員たちがやってきて、セバスチャンを連行していく)


丹波
「なんですか、なんですか?」

部長
「社内に入り込むなんて、ふてぇ野郎だ。」

丹波
「今あの人、部長の方を見て『坊っちゃま』って言ってましたね。」

部長
「言ってたか?
 気のせいだろ?」

丹波
「そうですか。」

部長
「もういいから、仕事に戻りなさい。」

丹波
「わかりました(自席に戻る)。」

部長
「(丹波が自席に戻ったのを見届けて)危ない危ない。
 バレるとこだよ・・・。」

セバスチャン
「(やってくる)坊っちゃま。」

部長
「突然くるなよ、セバスチャン。
 とっさの判断で警備員を呼んだから、最悪の事態にはならなかったけど。」

セバスチャン
「申し訳ありません。
 それより坊っちゃま、予告状は送りましたか?」

部長
「まだ。今送るところ。」

丹波
「(突然、現れる)部長?」

部長
「っ!!」

丹波
「(セバスチャンを見て)あれ、この人は・・・。」

部長
「不審者だー!不審者がいるぞー!」


(警備員たちがやってきて、セバスチャンを連行していく)


部長
「まったく、ここまで入ってきて私と近距離で会話までするなんてふてぇ野郎だ。」

丹波
「お二人はどういう関係なんですか?」

部長
「部長と不審者の関係だよ。」

丹波
「そうには見えませんでしたけど・・・。」

クリーニング屋さん
「(やってくる)お待たせしました。クリーニングでーす。
 白いタキシードと仮面でーす。」

丹波
「白いタキシードと仮面?」

部長
「不審者だー!不審者がいるぞー!」


(警備員たちがやってきて、クリーニング屋を連行していく)


部長
「なんだ、白いタキシードと仮面って!ふてぇ野郎だ。」

丹波
「あの人もふてぇ野郎なんですね。
 あ、部長。さっきのメールですけど。」

部長
「予告状メールな。」

丹波
「今夜8時って早すぎないですか?」

部長
「私に言われても。」

丹波
「今日、定時に帰って支度しないと間に合わないですよね。」

部長
「まぁ、仕事してる人ならそうだな。」

丹波
「そういえば部長、今日、定時で・・・。」

部長
「不審者だー!不審者がいるぞー!」


(警備員たちがやってきて、丹波を連行していく)


部長
「オレの鮮やかな犯行を邪魔するとはふてぇ野郎だ。」

セバスチャン
「(やってくる)坊っちゃま。
 今のところ、まったく鮮やかではないですぞ。」

部長
「・・・ん?」

 

 

 

 

 

 

【コント・セルフ・ライナーノーツ】

とんでもないメールを誤送信した、という発想から生まれたコント。

執事の名前、どうしてもセバスチャンが浮かぶんですよね。

何なんでしょう、これ。

 

【上演メモ】

人数:3~4人

部長

セバスチャン

丹波

クリーニング屋さん

 

所要時間:4分~5分
上演難易度:★★☆☆☆
備考:クリーニング屋さんはカットできるので、3人でもできると思います。

警備員に連行されるところは実際に演じてもいいですし、パントマイムでもいいですし。

 

【過去コントを5本チョイスしました。こちらもどうぞ。】

【コント】ここは俺に任せて先に行け
【コント】記憶喪失
【コント】訪問販売
【コント】コンセント
【コント】出陣の朝

 

 

 

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