グッズ担当
「・・・というようなグッズを考えているわけです。」

女性
「ZZZ・・・ZZZ・・・。」

グッズ担当
「・・・ローラさん?」

ローラ
「ZZZ・・・ZZZ・・・。」

グッズ担当
「ローラさん!」

ローラ
「はっ!
 すみません。眠ってしまいました・・・!」

グッズ担当
「だいぶお疲れのようで。」

ローラ
「そうなんです。
 最近仕事が立て込んでて・・・。」

グッズ担当
「スケジュールびっしりみたいですね。
 この打ち合わせも無理を言ってスケジュール確保していただきましたし。」

ローラ
「すみません。」

グッズ担当
「いえいえ、こちらこそ無理を言ってすみません。
 続けてよろしいですか?」

ローラ
「どうぞ。」

グッズ担当
「我々は今回、弊社独自のノベルティグッズを企画しました。
 そこで、ぜひ人気アーティストのローラさんにご協力いただいてグッズの開発を・・・」

ローラ
「はっ!」

グッズ担当
「どうしました?」

ローラ
「インスピレーションが湧いた・・・!」

グッズ担当
「インスピレーションが。」

ローラ
「ちょっと外に作品を描きに行っていいですか?」

グッズ担当
「今ですか?」

ローラ
「今の頭の中のイメージを一刻も早く形にしたいんです。」

グッズ担当
「・・・どうぞ。」

ローラ
「(筆を持って)行ってきます!(部屋を飛び出していく)」

グッズ担当
「すごい創作意欲・・・。
 (企画書を見て)この企画は絶対に成功させないと・・・!」

ローラ
「(戻ってくる)いい作品描けました!」

グッズ担当
「お、ホントですか?
 (窓から空を見る)うわぁ、キレイなオーロラですね!」

ローラ
「ちょうどオーロラの抜けにカシオペア座が見える構図にしています。」

グッズ担当
「あ、本当だ。すごい!」

ローラ
「(椅子に座る)で、なんの話でしたっけ?」

グッズ担当
「あ、はい。
 今回、弊社のノベルティグッズの作成にあたり、
 オーロラ作家のローラさんに是非ご協力をいただきたくて・・・。」

ローラ
「なるほど。」

電話
「ピロロロロロ・・・ピロロロロロ・・・」

ローラ
「あ、ごめんなさい。
 出ていいですか?」

グッズ担当
「どうぞ。」

ローラ
「(電話まで走っていき、電話をとる)お電話ありがとうございます。
 『ローラのオーロラ工房』です。」

グッズ担当
「ホント忙しそうだな・・・。」

ローラ
「はい。
 『彼女にプロポーズするためにオーロラを出してほしい』。
 申し訳ございません。
 オーダーメイドとなると現在予約がたくさん入っていまして、
 2ヶ月待ちになりますがよろしいですか?」

グッズ担当
「そんなに予約が入ってるんだ。」

ローラ
「はい。申し訳ございません。
 またよろしくお願いします。
 失礼いたします。」

グッズ担当
「かなりお忙しいんですね。」

ローラ
「はい。
 予約がいっぱい入ってますし、イベントの予定もありますし。」

グッズ担当
「イベント?」

ローラ
「今度、札幌でライブペインティングの予定が入ってたり・・・。」

グッズ担当
「オーロラの?」

ローラ
「はい。」

グッズ担当
「ライブペインティング?」

ローラ
「はい。」

グッズ担当
「大変ですね。」

ローラ
「あと、少し先になりますが、
 年末には毎年恒例の隅田川オーロラ大会がありますし。」

グッズ担当
「あぁ、テレ東で生中継されるヤツ?」

ローラ
「そうですそうです。
 夏の花火、冬のオーロラと言われて、今や冬の風物詩のヤツです。」

グッズ担当
「去年は残念でしたね。」

ローラ
「はい・・・。
 突然のゲリラ豪雨で・・・。」

グッズ担当
「カメラの前で高橋真麻が

 『あたし、雨女じゃねーし!あたし、雨女じゃねーし!』って2時間毒づいてましたね。」

ローラ
「ネットでは『逆に風物詩』って言われて絶賛されたみたいですけど。」

グッズ担当
「ローラさん、色々やられてるんですね。」

ローラ
「実は東京オリンピックの開会式用にオーロラを描いてほしいって話も来てるんです。」

グッズ担当
「そうなんですか?!」

ローラ
「ここだけの話ですよ。」

グッズ担当
「すごいなぁ・・・。」

ローラ
「(外を見て)あれ?!雨降ってる?!」

グッズ担当
「(外を見て)降ってますね。」

ローラ
「ヤバイヤバイ。
 オーロラ取り込まないと!(外に走っていく)」

グッズ担当
「あぁ、さっき描いたヤツか・・・。
 (窓の外を見て)あー、取り込んでる取り込んでる。」

ローラ
「(白いカゴ片手に戻ってくる)ちょっと濡れちゃったな・・・。」

グッズ担当
「大丈夫ですか?」

ローラ
「一旦、部屋干しします。
 そのあとファブリーズ(部屋を出て行く)。」

グッズ担当
「ファブリーズ。」

ローラ
「(戻ってくる)すみません。
 バタバタしちゃって。改めてお話を。」

グッズ担当
「あ、はい。
 我々は今回、オーロラを使ったノベルティグッズを作りたいと考えています。」

ローラ
「ノベルティグッズ。
 例えばどんな?」

グッズ担当
「(タブレットを見せながら)これがオーロラのメモ用紙ですね。」

ローラ
「メモ用紙・・・。」

グッズ担当
「これがクリアファイル。」

ローラ
「クリアファイル・・・。」

グッズ担当
「あと、ハンドタオル。」

ローラ
「タオル・・・。」

グッズ担当
「これはコースターですね。」

ローラ
「えーと・・・。」

グッズ担当
「それとこれは杉並区指定のゴミ袋。」

ローラ
「・・・すみません。」

グッズ担当
「これが大田区指定のゴミ袋。」

ローラ
「すみません。」

グッズ担当
「これが板橋区・・・。」

ローラ
「すみません!」

グッズ担当
「はい。」

ローラ
「できれば、もっと高級なものに使っていただけますか?」

グッズ担当
「というと?」

ローラ
「いや、どれも100円ショップで買える商品のラインナップなんで・・・。
 あと、東京都は何でそんなにゴミ袋にオーロラを使いたがるんですか。」

グッズ担当
「あ、これはどうですか?
 『食べられそうで食べられない、ちょっと食べられるオーロラ』。」

ローラ
「食べちゃダメです!」

グッズ担当
「アレです。お吸い物とかにのせます。
 金箔みたいに。」

ローラ
「確かにお吸い物に金箔があると高級感増しますけど・・・。」

グッズ担当
「いかがでしょうか?
 ワンコインで買えるオーロラ。」

ローラ
「あの・・・ごめんなさい。
 オーロラって描くの大変なんです。
 そう簡単に売買できるものではなくて・・・。」

グッズ担当
「ダメですか?」

ローラ
「すみません。」

グッズ担当
「残念です。」

ローラ
「また何か別のご要望があればお話聞かせていただきますので。」

グッズ担当
「わかりました。
 失礼します。(工房を出る)」

ローラ
「申し訳ありません。(扉を閉める)」

グッズ担当
「はぁ・・・。ワンコインオーロラ、ダメか・・・。
 (手帳を見て電話をかける)あ、もしもし。先日メールしましたワンコインショップの小岩です。
 これから伺ってよろしいですか?
 ぜひ『ジーニーの虹工房』さんにご協力いただきたいお話があるんです。
 はい。『ワンコインレインボー』と言いまして・・・。」

 

 

 

 

【コント・セルフ・ライナーノーツ】

「それ、人が作ってたんだ」という設定のコントのアイディアがずっと頭の中にあって、それを形にしたコントです。

○○作家の日常という形でまた別のスタイルのコントが作れたらいいなぁと思ってます。

 

 

【上演メモ】

人数:2人

ローラ

グッズ担当

 

所要時間:4分~5分
上演難易度:★☆☆☆☆
備考:オーロラは舞台上では表現せず、舞台の外側にあるイメージで書きました。

なので、オーロラを照明で表現する必要はないかと思います。

なので、それほど難しい表現はないかと。

 

【過去コントを5本チョイスしました。こちらもどうぞ。】

【お題コント】取り調べ
【コント】アリババと40人の盗賊
【コント】わぁお
【お題コント】つくしともぐら
【コント】王様の耳はロバの耳

 

 

 

【お題募集中】

お題コントのお題を募集しています。

採用の際には、ささやかながら、当ブログから採用者様のブログへのリンクを張らせていただきます。

・内容によっては、ご期待に沿えないこともございます。

・お題をいただいてから、公開までに数か月かかることがあります。

・公開までにアメブロを退会された場合、公開を見送る場合があります。

 

↓こちらでも面白いブログがきっと見つかる!はず。
にほんブログ村 お笑いブログ 自作面白ネタへ
にほんブログ村


お笑い&ジョーク ブログランキングへ