受付
「(内線電話をかけている)あ、もしもし。一階受付です。
 社長にお客さまなのですが。」

訪問者
「・・・。」

受付
「はい。あ、はい。確認します。
 (訪問者に)すみません。アポはお取りでしょうか?」

訪問者
「アポ?」

受付
「あ、アポイントメントです。事前連絡。」

訪問者
「事前連絡は取ってないクポ。」

受付
「(電話の相手に)アポは取ってないそうです。」

訪問者
「・・・。」

受付
「はい。そうです。
 社長に会いたい、とおっしゃってます。」

訪問者
「・・・。」

受付
「あ。お客さまの職業をもう一度確認ですか?
 (訪問者に)すみません。もう一度、職業を伺ってよろしいですか?」

訪問者
「さっきも言ったクポ!」

受付
「申し訳ありません。
 改めての確認となります。」

訪問者
「・・・妖精クポ。」

受付
「妖精だそうです。」

妖精
「れっきとした妖精クポ。」

受付
「はい。そうなんです。
 妖精さまの話によると、社長にプリキュアの素質があるそうなんです。」

妖精
「早く社長を出すクポ!」

受付
「(訪問者に)もう少々お待ちください。
 (電話の相手に)とりあえず、社長に応対可能か確認していただけますか?
 はい。よろしくお願いします。(電話を切る)」

妖精
「どうクポか?」

受付
「今、スケジュールを確認しますので、お待ちください。」

妖精
「早くするクポ!このままじゃ地球が滅びちゃうクポ!」

内線
「ピロロロロ・・・!」

受付
「(電話に出る)はい、一階受付です。
 ・・・はい?はい。確認してみます。
 (訪問者に)お客さま?」

妖精
「何クポか?」

受付
「もしかして、2日前に来た人ですか?と言われたのですが。」

妖精
「・・・。」

受付
「私、2日前は非番だったのでわからないのですが、
 2日前、いらっしゃってます?」

妖精
「・・・来たクポ。」

受付
「やっぱり。
 (電話に出る)いらっしゃったそうです。
 はい。はい。わかりました。(電話を切る)」

妖精
「どうだったクポ?」

受付
「少し待っていてほしいとのことです。」

妖精
「わかったクポ。待つクポ。
 ただ、急いでほしいクポ。」

受付
「思い出しました。
 2日前ですよね。
 例の株主総会の日の。」

妖精
「株主なんとかはわからないクポが、
 2日前にここに来たのは事実クポ。」

受付
「社長にも会ってますよね。」

妖精
「会ったクポ。プリキュアになるように直談判したクポ。」

受付
「株主総会の直前にあなたが訪ねて来たから、社長パニックになって、
 プリキュアの格好のまま、株主総会に出席しちゃったんですから。」

妖精
「それは知らないクポ。
 『時間がないから』ってそのままの格好で出て行っちゃったクポ。」

受付
「おかげで我が社の株価が大暴落しました。」

妖精
「ボクは関係ないクポ。」

受付
「ツイッターで #社長はプリキュア ってハッシュタグが
 しばらくトレンド入りしましたし。」

妖精
「いいから、早く社長を出すクポ!
 キュアプレジデントとして、悪と戦うクポよ!」

受付
「会社が大打撃を受けてるんです。少々お待ちください。」

妖精
「頭が固いヤツばかりクポ。話が進まないクポ。」

受付
「そういえば、数年前にも同じようなことがありましたね。」

妖精
「同じようなことクポ?」

受付
「社長の元に『あなたにはセーラー戦士の素質がある』って言って、
 無理やり社長にセーラー服を着せられたことが・・・。」

妖精
「やはり、社長は戦う運命なんだクポね。」

受付
「確か、その日も外出の予定があって、
 その格好で取引先の元に行ったんです。」

妖精
「大丈夫だったクポか?」

受付
「幸いその日はハロウィンだったので、ごまかせました。」

妖精
「ごまかせたクポか。」

受付
「株価は下がりましたが。」

妖精
「ごまかせてなかったクポね。」

受付
「『代表取締役戦士 セーラープレジデント!社長に代わっておしおきよ!』って決めゼリフまで生まれました。」

妖精
「『社長に代わっておしおきよ!』って何されるクポか?
 懲戒免職クポか?」

受付
「そういえば、レンジャーピンクにならないか?って打診もありましたね。」

妖精
「やはり、ボクの目に狂いはなかったクポ。
 社長は戦士の星の元に生まれた逸材クポ。」

受付
「うん。だとしても、何で女子枠ばかり誘いがくるんですか?」

妖精
「高いからクポ。」

受付
「戦闘力が?」

妖精
「女子力が。」

受付
「いや、女子力は高くないですよ。
 見た目ただのおっさんですから。」

妖精
「いや、ボクの目に狂いはないクポ。
 社長の女子力、57万はあるクポ。」

受付
「なんですか、57万って。

 女子力57万って。」

妖精
「あ、社長が来たクポ。」

受付
「お疲れ様です。」

社長
「ちょっと外出してくる。」

受付
「いってらっしゃいませ。」

妖精
「社長!キュアプレジデントに変身クポ!」

社長
「またキミか。
 私は忙しいんだ。
 他を当たりなさい。」

妖精
「ダメクポ!社長の女子力は貴重クポ!」

社長
「私に女子力なんてないから。」

妖精
「手に持っているものは何クポ?」

社長
「手作りのカップケーキ。」

妖精
「ぐはぁ!(ふっとぶ)」

受付
「ふっとんだ!何で?!」

妖精
「なんて高い女子力クポ・・・。
 本気を出せば、悪も倒せるクポ!」

受付
「そもそもプリキュアって、そういう戦い方するんでしたっけ?」

妖精
「スーツ姿だったから、まだ大丈夫だったクポが、
 プリキュアの格好で手作りのカップケーキを出されたら、確実にボクは死んでいたクポ。」

受付
「だとしたら、なおさら、プリキュアの格好にならないでほしいです。
 みんな不幸になるだけだから。」

妖精
「さぁ!キュアプレジデント!変身クポ!」

受付
「やめてください!また株価が落ちます!」

妖精
「変身して悪を倒すクポ!」

受付
「お願いです!会社が傾きます!」

社長
「とりあえず、出かけて来ていいかな?」

受付
「どちらへ?」

社長
「赤坂で女子会・・・。」

受付妖精
「ぐはぁ!!(ふっとぶ)」

 

 

 

 

 

【コント・セルフ・ライナーノーツ】

プリキュアという言葉と絶対にくっつかないものを考えて、

社長がプリキュアに選ばれた、という設定を考えました。

その後、『社長はプリキュア』という言葉が生まれ、そこから枝葉をつけていった感じです。

 

【上演メモ】

人数:3人

受付

妖精

社長

 

所要時間:5分~6分
所要時間:★★★★☆
備考:妖精役の件があるので、実演は難しいと思います。

脳内で想像する読み物コントだからできた設定かもしれません。

それを逆手にとって、生身の人間が演じるのであれば、序盤で「見た目人間ですけど」というツッコミを足して、

その設定を肯定してしまうのもありかも・・・

 

【過去コントを5本チョイスしました。こちらもどうぞ。】

【お題コント】動物
【コント】消えたマーライオン
【コント】中島の誘い
【お題コント】スピッツ
【コント】なまはげ

 

 

【お題募集中】

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