方舟の信念を思い出せ! | 俺ってデビルマン!?

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知ってる人は知ってるし、知らない人はまったく知らない…私、元・週刊ゴングの鈴木淳雄と申します。かつて所属していたプロレス業界に限らずに、今現在の私をありのままに記していきたいと思いますので、どうぞ宜しくお願い致します。





  ノアの7/13日本武道館大会が何かと話題になっている。善きにせよ、悪しきにせよ、人々の話題になるのはいいこと。人の目耳を集められない興行では、そこに価値を見出だせない。そういう意味では、今回の武道館大会は幸先のいいスタートをきったといえるのではないだろうか!?

 で、何が話題になっているのかといえば、まずはAJスタイルズの参戦。WWEとの関係強化において、現在同マットの最前線で闘っているAJがやってくるという意味は非常に大きい。

 裏を返せば、「その後にやってくるWWEの日本興行のためのプロモーションだろ?」という声もあるが、だとしてもだ。

 どこぞの団体のようにトップ戦線から既に退いている選手を派遣して格上意識をアピールするのではなく、しっかりとしたトップ選手を送り出してくるあたりはさすが世界一のプロレス団体といえるところ。器の大きさというものはこういうところに出る。

 トップどころが闘ってこその対抗戦であり、交流戦。他団体が絡むのであればこうでなければいけない。露骨な土下座外交は大事なファンを失望させるだけ。その場凌ぎで話題性を求めるのは仕方ない部分もあるが、その場を乗り切れればそれでいい、では断じてない。

 AJが語っているように、かつてのノアは文字通り世界の最前線を走っている団体だった。昨年のオスプレイにせよ、今回のAJにせよ、その頃のノアに憧れ、将来の自分の姿を夢見ていた。その時代があったからこそ、今のノアにも気持ち良く参戦してくれるのだろう。

 今のこの団体はやたらと過去を隠したがるが、未だに過去の財産が大きくものをいっていることを強く肝に銘じなければいけない。現在ノアに所属している選手やスタッフ以上に、かつてのノアは凄かった、ということだろう。

 だからこそ、ノアという看板の大きさ、偉大さをもっと大事にしてほしい。『弱いものに強く、強いものに滅法弱い』今のノアは、正直見苦しさすら感じる。創業者である三沢光晴のいう『自由と信念』は、決してそんなもんではないはずだ。

 丸藤個人で見れば、ウィル・オスプレイ、飯伏幸太と外敵とのシングルマッチで二連敗中。シングル王座も縁遠くなっており、引退騒動も湧き起こるなど、微妙な立ち位置にいる。しかし現在は杉浦とタッグ王者に返り咲いており、まだまだ健在ぶりを発揮しなければならない。このまま御客様の引き立て役に終わるようでは、再び引退騒動が過熱することになってしまうだろう。

 で、その丸藤vsAJは今回セミにラインナップ。メインはノアの未来を担う清宮vsYOICHI(稲村愛輝)のGHCヘビー級選手権に。今年1月の拳王vs清宮の同選手権が丸藤vs飯伏にメインを奪われたことで今回も話題となっているが、この判断は妥当であり当然だと思う。

 団体にとって、最高峰王座というのは最大の象徴であり、何より敬われる存在。その価値を貶めるような行為は、何人たりとも許されるものではない。だから話題作りのためとはいえ、ベルトをぞんざいに扱ったり、アイテムによっての流血戦など、前回の清宮vsゲイブの選手権は完全に論外。崇高さの欠片もない、まったくGHCの名に相応しくない闘いであった。

 だからこそ、今回の清宮vsYOICHIの選手権に、その真価が問われる。生え抜きであり、未来のノアを
担う2人の闘いがその名に相応しくない闘いになってしまったり、セミの丸藤vsAJに喰われて凡戦に終わってしまったら、それは清宮と稲村の力量不足とみなされ、まだその器じゃない、という評価になってしまう。

 そうではない闘いを、しっかりとこの大舞台で魅せてほしいものだ。ちなみにYOICHIは「生温い革命家」と王者を批判し、清宮は「海外行ってすぐ獲れるほどGHCは甘くない!100年早いんだよ!」と舌戦を展開しているが、そんな煽りはどうでもいい。プロレスラーの価値は試合でされるべきもの、闘いの魅力で、ファンを惹き付けてほしいものだ。

 あと拳王は、なぜか新日本の永田裕志との対戦となったが、これは小島聡、鈴木みのるに続くレジェンド・ハンターとしての役割を担った、ということなのか? 正直、私個人はこの闘いにまったく興味はないが、拳王の言う通り、やたらと新日本を持ち出してくる今のこの会社のやり方には嫌悪感しかない。いい加減、新日本リスペクトの姿勢を止めて、本来の方舟の理念に立ち返ってほしい。

 プロレス界の救世主となるべく出港した方舟は、どこぞの団体を奉るために存在している訳ではない。創始者である三沢光晴の理念を忘れていないのであれば、本来の使命に今こそ戻るべきだ。



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