巨人ならではの帝王学を学ぶべき | 俺ってデビルマン!?

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知ってる人は知ってるし、知らない人はまったく知らない…私、元・週刊ゴングの鈴木淳雄と申します。かつて所属していたプロレス業界に限らずに、今現在の私をありのままに記していきたいと思いますので、どうぞ宜しくお願い致します。

 私が今、最も注目しているプロレスラー、それは全日本プロレスの綾部連だ。

 デカイことが最大の武器となるプロレス界において、綾部連の身体はそれだけで貴重な財産といえる。しかも、コーナーから飛んだりフルネルソン・スープレックスをしたり、その巨体に似合わぬ身体能力の高さも注目し得るポイント。

 2mを越える人間がこれを平然とやってのけることがどれだけスゴいことか、それは同じように巨体を誇る人間でないと本当の部分では分からないだろう。現時点ではまだ真のトップレスラーといえるまでには至っていないが、その将来性を考えると、彼が業界のリーダーとして活躍する日がくることも充分にありえる。そういう意味でも、デビューした団体JTOからフリー選手となりながら、正式に全日本入りした意味は非常に大きい。

 別にインディーを批判する訳ではないが、やはり業界を代表する存在になるには、メジャー団体を経験しなければ私は無理だと思う。周囲からの見方、格式、仮にまったく同じ技術を習得していても、メジャーとインディーの選手では周囲に与える安心感というか、印象度が違う。業界を担う存在になるには通らざる道、それがメジャーだと思う。

“プロレス界の帝王”高山善廣がそのいい例だ。Uインター(UWFインターナショナル)でデビューし、Uスタイルで頭角を現してきたが、安生洋二らとのゴールデンカップスの一員として新日本、WARマットにも進出。その後、全日本と関わり、正式に全日本&NOAHに所属した後、フリーとなって総合マットで活躍すると共に新日本、全日本、NOAHの三大メジャーで最高峰王座を獲得し、文字通り“プロレス界の帝王”と呼ばれるに至った。

 これは私の推測だが、高山善廣が大化けした最大の要因は、やはり、ジャイアント馬場に触れたことだと思う。デカイ人間にしか分からないその巨体の活かし方、それを馬場のアドバイスによって見事に開花させたられたからなのではないかと。

 Uインター&キングダムの所属として全日本にフリー参戦していた頃の髙山に対し、馬場は熱心にアドバイスをおくっていた。元々、指導好きで知られる馬場だが、自分と同じ巨体の選手とあらば、それはもう特別な存在となる。いかにして自分の大きな身体をさらに大きく見せるか、その必要性と重要性を熱心に髙山に解いていた場面を、当時専門誌の記者であった私は実際に何度か目にしていた。

 その結果、髙山善廣は”U戦士“という枠をさらに拡大させ、いや遥かに超えた”プロレス界の帝王“となった。ゴールデンカップス時代の髙山と、IWGPヘビー級王者にまでなった頃の髙山では、明らかに別人だ。同じ新日本プロレスという戦場においてもこうまで違うかというほど、そのファイトぶりは見違えている。

 だから綾部連にも、全日本所属となることで大化けしてほしい。ただ残念なことに、もうジャイアント馬場はそこにはいない。そして馬場から巨人レスラーとしての帝王学を学んだ人間も、もう1人も存在していない。

 だからこれは私個人の願望だが、綾部連にはもう一皮剥けるために、ぜひ髙山善廣の元に指導を受けに行ってほしい。いや指導なんて難しく考える必要はなく、大きな身体を活かすためのアドバイスを授けてもらいに行く、ということ。

ジャイアント馬場 209cm、145kg
高山善廣 196cm、125kg
綾部連 200cm、110kg

 馬場から授かった大きな身体を最大限に活かすための帝王学、それを綾部は髙山から是が非でも授かるべきだと思う。それが全日本プロレスに入団した綾部にとっての、導かれし道だと思う。

 ついでといっては何だが、髙山善廣の高角度ジャーマンの極意も授かったらどうだろう。綾部はフルネルソン・スープレックスを使うが、正直、高さを活かしたものではなく、それほど凄みも感じなかった。フルネルソンよりジャーマンの方が相手の腰を抱える分、高さを活かせるし、一撃必殺の破壊力、説得力を伴った最高級の技になると思う。

 髙山にはその名字から“世界一高い山=エベレスト”ジャーマンと名付けたが、もし綾部が習得したとしたら“摩天楼”スープレックスと名付けるのはどうだろう?“摩天楼=天に届かんばかりの美しい高層ビル、建築物”破壊力も美しさも兼ね備えたオンリー1のジャーマン・スープレックス、綾部であれば、その使い手になれる逸材だと思う。

 とにかく綾部には他の選手とは違う、巨体ならではの帝王学を同じ巨体の選手から学びとって欲しい。プロレスラーとしてスーパースターになるには、他の選手と同じことをしていてはダメだ。他の選手にはない自分の最大の特徴を、より大きくしていくための努力を怠らずにやることを、何よ最優先すべきだ。



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