個性を消してそれでいいの? | 俺ってデビルマン!?

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知ってる人は知ってるし、知らない人はまったく知らない…私、元・週刊ゴングの鈴木淳雄と申します。かつて所属していたプロレス業界に限らずに、今現在の私をありのままに記していきたいと思いますので、どうぞ宜しくお願い致します。

『猫も杓子も』


 まさに今のプロレス界全体を表す言葉のような気がする。会社が発展するために、ヨソがやり始めたことでも積極的に自社にも取り入れて己の糧とする。その行為自体は素晴らしいことだし、別に全批判するつもりはない。


 ただ最近のプロレス界はどこもかしこもそればかりで、完全に団体そのものの個性を見失っている。様々な要素を取り入れるのはいいけど、それで本来の魅力を消してしまうようでは意味がない。


 そして団体交流もやり過ぎの感は否めず。しかもかつてのような団体対抗戦独特の緊迫感もないため、もはや他団体というよりは傘下団体といった錯覚すら覚える。そんな状況に甘んじている団体も情けないし、そういった行為を強いる団体に対しても腹立たしいことこの上ない。


 結果、どこの団体を見てもその個性が感じられず同じような試合ばかりに見え、現代プロレスそのものに対する興味が薄れてしまう。これで本当にいいのか?時代がそうさせている?今のファンがそれを望んでいる?本当にそうだろうか?


 実際、どこの団体を見てもジリ貧傾向にあるのは明白。これがどこも活況を維持しているのであれば何も文句は言わないが、現実は明らかにそうではない。ならば何かしらの手を打つ必要がある。その結果がヨソを真似ること、ヨソがやっていて自分たちがやっていないものをやること、では明らかに短絡過ぎないか?と言いたいだけである。


 新興団体ならいざ知らず、歴史のある団体がそれをやるのは明らかに無策すぎる。ヨソはヨソ、ウチはウチ、そもそもの魅力を活かせ、さらにその幅を拡げるようなアイデアを考えることが、なぜできないのだろう?


 結局、指揮を執る人間が本当にその団体の本質を理解しているのかどうか、そこが問題なのである。大企業が親会社となってその団体を支えてくれるのはいいことだし、余所者でも知恵あるものをブレーンとして迎えることもいいことだと思う。しかしその者が団体本来の根底、ポリシーを深く理解していなければ、それはまったく別物となってしまう。


 革命だの新しい時代だの、聞こえのいい言葉で目眩ましをしても、そんなものに騙されるのは極一部の人間だけで、それが筋の通っていないものであれば、簡単にファンに見透かされてしまう。その成の果てが今、この業界の置かれている現状だと思う。


 何度も書くが、WWEを摸倣するのは絶対に止めた方がいい。あの団体は潤沢な資金力があるからこそ成り立っているのであり、他の団体がそれを真似しても、チープさが際立つだけ。それこそAEWのように大富豪をバックにでもつけない限り、ハナから太刀打ちできる訳がない。


 もしできるという団体があるのなら、それこそWWEと同じ数の選手を抱え、設備を用意し、世界サーキットをしてみたらいい。世程の先行投資をしなければそんなことは不可能だし、まずそれは失敗に終わるはず。


 WWEだって短期間にそれを成してきた訳ではない。ビンス・マクマホンシニアの代からJrに受け継がれ、そして現在はオーナー会社も変わるなど、長い年月と沢山の苦労を重ねて築いてきたのである。


 日本の団体がこれに対抗しようとするのであれば、まずWWEを摸倣するのではなく、それ以外の部分を強調する方が得策だ。かつてWWEを脅かす存在となっていた団体は皆、WWEにはない魅力を強調することによって成功に至っていた。


 vs WWEだけではない。日本の団体同士にしても、似たような団体同士が対抗戦をやっても面白いはずがない。まったく系統の違う個性がぶつかり合うからこそ緊迫感も生まれるし、面白味が倍増する。それにはまず、自分たちの色を際立たせることが不可欠だし、他人の猿真似をやっているようではハナからダメなのだ。


 本当に発展させたいのであれば、まずは己の団体が歩んできたこれまでの道を、もっと深く知るべき。そしていかにすればその個性をもっと輝かせることができるのか、その策を必死に考えろ。ヨソの猿真似なんてプロのやるべきことではない。


 あれもプロレス、これもプロレス、されどプロレス。本物のプロフェッショナルとは何なのか、もっと真剣に考えてほしい。



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