真のヘビー級ならば一撃で倒せ! | 俺ってデビルマン!?

俺ってデビルマン!?

知ってる人は知ってるし、知らない人はまったく知らない…私、元・週刊ゴングの鈴木淳雄と申します。かつて所属していたプロレス業界に限らずに、今現在の私をありのままに記していきたいと思いますので、どうぞ宜しくお願い致します。

 ヘビー級という領域が事実上の無差別級となり、その大半が100kgに満たない選手ばかりとなってしまった日本プロレス界。見た目的にもカッコ良さを求めているのか、シェイプした選手が主流となり、ヘビー級という肩書きはもはや偽りの看板となっている。


 もちろん、それがすべて悪いと全否定している訳ではない。誰が見てもデカイ選手にも対抗しうる実力、能力を持っている選手ならば100kgに満たない選手でもヘビー級で闘うことに異論はないし、むしろ闘いの幅が広がって喜ばしいことだとは思う。ただ私が一番懸念しているのは、1発の技の説得力である。


 現代プロレスの特徴は、とにかく華麗さと俊敏さを求めがちで、1発の技の説得力に乏しい。大技にしてもその持ち方で相手を持ち上げられるのか?とか、叩きつけるときも仕掛けている側の選手の身体がふらついていたりと、本当に説得力に乏しい。


 難易度の高い技をやるならば、より完成度を高めなければそこに説得力を見出すことはできない。それよりも本当に必要なものとは何か、改めて考え直す必要があるのではないだろうか!?


 例えば昔のプロレスラーは何かしら他人よりも秀でた部分があり、それを強調できる技を必殺技として活用していた。エリックのアイアンクロー、アンドレやブッチャーのエルボードロップ、馬場の16文キック。誰から見ても他人よりも秀でた部分をさらに強調させることにより、その技の破壊力にも大きな説得力をもたらしていた。

 

 でも現代プロレスは大して腕が太くもない選手がラリアットを主武器にしていたり、パワーがありそうもない選手がパワーボムをフェバレットにしていたりと、そこに説得力のかけらもない。


『プロレスラーにとって身体が大きいだけで大きな武器になる』といわれる所以は、誰が見ても納得する大きな説得力をもたらすことができるからだと私は思う。


 特に秀でたものがないという選手ならば、己の個性として何かに特別な磨きをかけなければいけない。それをせずに流行りの技、流行りの攻防ばかりに安易に走るから、同じような試合ばかりの無個性な世界となってしまっている気がしてならない。


 私が今、大嫌いな攻防は、どう見ても痛くなさそうな打撃技のスピーディーなノーガードの打ち合いだ。かつて小橋vs健介のチョップ合戦、髙山vsフライの顔面殴り合いなどは、顔や胸がすぐにボコボコに腫れ上がり、その痛みや重みが誰の目にも明らかだった。


 だが現代プロレスで行われているノーガードな打ち合いはどうだろう? 見ていて本当にその痛みを感じることができているだろうか? 単にファンが一緒になってお祭り騒ぎしたいだけの、見世物的要素の強い攻防になってやしないだろうか?


 しかも身体のデカイ選手でさえも、軽量級の選手と同じようにスピーディーに連発で打ち合ったりしている。それはむしろ、自分たちの最大のウリを欠落させている感すらある。


 スーパーヘビー級の選手であれば、1発で相手を倒すことに強いこだわりを持ってほしい。それは技に重みがなければ説得力がない。でもそれが綺麗に決まれば、それ1発だけで多くの人を魅了できる。


 それは軽量級の選手にはなかなかできないこと。大きいからこそ、もたらせられるド迫力。ヘビー級の選手ならば流行りの攻防に走るのではなく、自分たちの能力を最大限に活かせる攻防を磨くべき。


 特に全日本の真のヘビー級の選手たちには、この点を特に意識してファイトしてほしい。他団体の選手がやりたくてもできない、本当にデカイ男たちにしかできないド迫力の怪物ファイト。


 無理にヨソの身体の小さい他団体の選手と絡んで自分たちの価値を下げる必要はない。むしろデカイ外国人を次々と呼んで、怪物にしかできない怪物ファイトにもっともっと磨きをかけてほしい。


 それを極めるには、やはり1発で相手を倒せるだけの当たりの強さが重要だと思う。1発のチョップ、1発のタックルだけで会場を湧き上がらせることができる絶対的なド迫力。そんな真のヘビー級の闘いを、現代プロレスでももっと見たい!




三沢はなぜ全日本で革命を起こしたのか!?

NOAHを設立するに至ったのか!?

この本にその答えが載っている。

絶賛発売中❗❗      

 


『三沢革命はなぜ起こったのか』

なぜ、三沢は革命を起こすに至ったのか!?その真実がここに克明に!/馬場元子さんとの確執、その発端となったハワイ事件/三沢と小橋が真の盟友となった日/三沢は馬場にとって代わりたかっただけなのか?だから全日本を辞めたのか?その答えがここにある/ブログ未掲載の川田利明、田上明インタビューも敢行!聖鬼軍の二人はあの頃、三沢革命をどう思っていたのか!? …これを読まないと真の四天王プロレスは語れない!プロレスを知らない人にも、読んで頂けるノンフィクション・ヒューマンドラマです