原点回帰が成功の要因!マリーゴールドに見た現代プロレスへのアンチテーゼ | 俺ってデビルマン!?

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知ってる人は知ってるし、知らない人はまったく知らない…私、元・週刊ゴングの鈴木淳雄と申します。かつて所属していたプロレス業界に限らずに、今現在の私をありのままに記していきたいと思いますので、どうぞ宜しくお願い致します。




 小川代表が手掛ける新団体マリーゴールドは、テーマを「昭和の復活」と掲げ、かつてのプロレス界を参考に様々な仕掛けを行い、大きな注目を集めていた。

 但し、それは試合を行う前段階の話。どんなに話題性を高めて注目を集めても、実際の試合&興行自体に高評価がつかなければ、一過性の話題で終わってしまう。だからこそ、この旗揚げ戦が持つ意味は非常に大きかった。

 そして運命の旗揚げ戦。最も注目を集めたのはメインに出場した巨獣ボジラ。181cm、91kgの身体は女子プロ界の平均値を大きく上回り、まさしく怪物。ファイトスタイルもその身体を存分に生かし、己の能力をフルに発揮する圧巻のファイトぶりで高評価を得た。デカイことがいかに優れたことか、それを証明する闘いぶりだったのだ。

 男女問わず、見映えの良さを追求して身体を絞り、技の攻防を重視して軽業師と化したファイトばかりがチヤホヤされるのが現代プロレスの特徴だが、このボジラのファイトは完全にその流れに逆らうもの。単純にデカイことが最大の武器となる、プロレス本来の魅力を呼び戻すものであった。

 思い出してほしい、アンドレやブッチャーのエルボー・ドロップ一発で終わる試合に、どれだけ説得力があったかを。あの重さを自分の身体に浴びせられたら‥‥、誰だってその痛みや苦しみを安易に想像できる。実際に技を喰らわなくても、見ているだけの人間にも充分にその痛みや苦しみを伝えられるファイトだったのだ。

 プロレスという分野において、説得力というのは何より重要なもの。強さを感じない、痛みが伝わらない闘いなんて、まったく意味がない。女子プロレスは身体が男子より小さい分、昔から技の攻防に走る傾向にあり、痛みや苦しみというものを伝えずらかった。だから締め技にしても男子以上の角度を持たせ、それで痛みを伝えてはいたが‥。

 技の攻防を重視する現代プロレスの特徴も、似たような体格の選手同士ばかりで闘うことを重視して、巨体を奮う怪物レスラーを排除する傾向にある。そのため、オールドファンにソッポを向かれ、プロレス界全体がジリ貧傾向に陥っている。

 またマリーゴールドの原点回帰はそれだけではない。この日の大会の全6試合。シングルが4試合、タッグマッチが2試合行われたのだが、どれもシンプルな試合ばかり。現代プロレスにありがちな3WAYやイリミネーションなどゲーム性の高い試合や、アイテムに頼るデスマッチが1試合も組まれていない。

 今後のこの団体の興行ではこういった特殊性の高い試合も組まれていくのかも知れないが、その旅立ちとなる旗揚げ戦であえてシンプルな試合に限定した、という意味は大きい。冒頭に書いた通り、このマリーゴールドの旗揚げ戦で、プロレス本来のあるべき姿、を見た気がする。

 現在、プロレス界はどの団体も業界最大手のWWEを模倣することばかりに熱心で、単なるTVショー化されてしまっている。しかし日本プロレス界には日本プロレス界に根付いた独自の良さがあり、それを棄ててしまうことは、決して得策とは思えない。

 新しい要素を取り入れることは悪いことではない。だが古くてもいいものはずっと継承し続けていくべき。大事なことは温故知新、いいものを継承し、そこに新しい要素を付け加えていくことである。

 まさか新団体の旗揚げ戦で、その理想の姿を見るとは思わなかった。この日の集客は1539人(超満員、主催者発表)。その数字がすべての答えだ。旗揚げ戦の御祝儀的意味もあったかも知れないが、この人気が本物かどうかは、早くも初進出が発表となった7.13両国国技館大会が教えてくれる。

 もしこの両国大会が同じように超満員にでもなるようなことがあれば、このマリーゴールドは一気に女子プロ界の盟主となり、男女含めた日本プロレス界の台風の目となることだろう。



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