シティーハンターを見て現代プロレスに思ったこと | 俺ってデビルマン!?

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知ってる人は知ってるし、知らない人はまったく知らない…私、元・週刊ゴングの鈴木淳雄と申します。かつて所属していたプロレス業界に限らずに、今現在の私をありのままに記していきたいと思いますので、どうぞ宜しくお願い致します。


 Netflixで昨日から公開となった『シティーハンター』を、早速見せてもらった。ちなみに私は原作である漫画も、かつて地上波のドラマや映画となったアニメも、ちゃんと見たことは一度もない。

 ちゃんとと但し書きしたのは、マンガもアニメも何話かだけはパラパラとは見たから。確か病院や床屋の待ち時間とかに、そこにあったコミックスをたまたま見たり、アニメもたまたま放送していたのをたまたま目にした、という程度だから。

 なのでそのときの感想も特になく、原作に対する強い思い入れはまったくない。それでもジャッキーチェンの演じたシティーハンター、イ・ミンホの演じた韓国版シティーハンターを見てそれなりに楽しむことはできたのだが、「何か原作とは明らかに別物だな」というのが正直な感想だった。

 あと日本でも実写化されたドラマ『エンジェル・ハート』(シティーハンターの後継ストーリー)も何か綺麗にまとめられ過ぎていて、原作のハチャメチャ的な魅力は感じられず。なので今回のNetflix版ドラマが正式に発表されたとき、主演の鈴木亮平が原作愛を熱弁していたのを見て、一気に興味が湧いてきた。

 映画にしろドラマにしろ、公開日が待ちきれずにワクワクするっていう感情は久し振りだな~と実感しながら、実際に楽しませて頂きました。

 とにかく「面白い!」っていうのが一番の感想。出ている役者さんも”豹変俳優“といわれる演技上手な人ばかり。役になりきってコロコロと人格が変わる、しかも主演の鈴木亮平などは、役に応じて肉体も大きく造り替えるほど。本物のプロ(役者)ってこういう人をいうんだろうな~と感心することしきり。

 しかも原作に対するリスペクトも随所に感じた。ネットニュースによると、この実写版実現にあたって実際の新宿・歌舞伎町界隈の人や店舗たちも喜んで撮影に全面協力してくれたという。

 原作者の北条司さんも試写を見て「面白い!」と大喜びしたとのこと。『作品に対する愛情、リスペクト、それが結集されるとこんなにいい作品になる』、といういい見本だと思う。

 プロレスだって同じ。選手だけではない、フロントスタッフ、そしてファンのプロレスに対する熱い思い、リスペクトが結集され、それがハッキリと形になったとき、本当の意味で最高の興行が生まれる。だからプロレス団体が何をしたいのか、自分たちの目指すべきものは何なのか、それを明確にすることが必務なのである。

 新日本はストロングスタイル、全日本は王道、UWFは格闘、FMWは何でもアリ、ユニバーサルは和製ルチャ、かつてのプロレス界はそのコンセプトがしっかりとしていたから、見る側も安心して各団体を選べたし、実際に観戦に行けばそこで最大限の満足感が得られた。だから前売りで高いチケットを買うことに抵抗はなかった。

 なのに今の現代プロレスはそのコンセプトがぶれぶれ、どこの団体も本来あったオリジナルの良さを軽んじて、業界最大手のWWEを真似てばかり。これでは見る側の信頼感なんか到底得られる訳がない。実際にその時にならなければどんな試合が見られるか分からない、それが現代プロレスの特徴だ。

 信頼感の得られないものに、高いお金を払う気にはなれない。でもプロレスは好きだから、無料で見られるのなら見るし、最低限のお金で見られるPPVならまぁ見てもいいか、という結論に達する。結果、興行として客は入らない、でも団体側は配信で収益を得ているからそれでいい、となってはいないか?

 このままいけば、日本プロレス界はどうなるのだろう? 恐らく、壊滅にこそならないが、その規模はどんどん縮小していきそうな気がする。或いはWWEのように、よりTVショー化されていくのか?とにかく同じプロレスを名乗っていても、かつてのものとはまったく異なる世界になっていくだろう。

 それが時代なんだと人はいう。でもそんな一言で片付けていいのか? 本当に現代プロレスが今のファンに支持されているのなら、配信だけでなく、会場にも今のファンが集結しているはず。それができていないということは、周囲の関心は集められても、そこに信頼関係は成り立っていない、ということなるのだろう。

 どんなに選手やスタッフの熱意やリスペクトが集結した大会だったとしても、そこに観客の気持ちが合致していなければ最高の興行は生まれない。今回見たNetflix 版『シティーハンター』は、きっとそれができているような気がする。少なくとも私はそう思う。だからこそ、次回作の製作を是非とも実現してほしいものだ。

 ちなみにこの実写版を見たあと、最新の劇場版アニメも続けて見てしまいました。好きになるってこういうことだよね。いいものはいい、現代プロレスにもそういうすべての人たちのリスペクトが集結する最高の形であってほしいものだ。



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