紅白を見て思ったプロレスとの関連性 | 俺ってデビルマン!?

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知ってる人は知ってるし、知らない人はまったく知らない…私、元・週刊ゴングの鈴木淳雄と申します。かつて所属していたプロレス業界に限らずに、今現在の私をありのままに記していきたいと思いますので、どうぞ宜しくお願い致します。

 大晦日、紅白を見ていて昔とは随分変わってしまったな、と思ったことがある。勿論、変わって良くなったこともあるにはあるが、それ以上に“これはちょっといただけない…”と嘆かわしい気持ちになるものがとても多かった。

 それが何かというと、かつて紅白歌合戦といえば、歌手というジャンルの方々の晴れの檜舞台。それに出演するだけで全国的な知名度、そして番組やイベントなどのギャラや出演時の扱いなど、様々なものが大きく変わってくるといわれるほど、大きなステータスを持つ一大イベントであった。

 当然、そこに出てくる人たちは選りすぐりの歌手の人たち。生のステージで、生の歌声を聞かせるプロ中のプロの祭典であったはずだ。中には例外的な人も昔からいたことはいたが、基本的には一年の終わりに様々な家庭で、家族揃って楽しめる最高な歌のプロの祭典、であったことは間違いない。

 ところが、最近の紅白は話題性、面白さを追求する余り、むしろ本来主役であるはずの歌が二の次にされていることが多い。例えば歌手の歌唱中にけん玉の記録に挑戦したり、68歳の郷ひろみがブレイクダンスの大技に挑戦するとか、挙げ句にはドミノ倒しをしたりと、歌唱終了後にまったく歌の印象がなくなってしまう演出が施されているのだ。

 本来は歌を聞かせるためのイベントなのに、歌の印象を掻き消してしまう演出って必要なのか!? ま、携わっている人たちは「そういう時代なんだ」と安易な言葉で誤魔化し逃げるのだろうが、私には到底理解できない。「嫌な時代になったものだ」と嘆くことしきりである。

 大体、まともにボイトレや歌唱レッスンも受けていないような俳優や芸人が、賑やかしという意味合いで出てくるのは構わないが、歌手を差し置いて歌を歌うというのはいかがなものだろうか!? 

 勿論、起用された側は一生懸命ベストを尽くしているのだろうが、正直、聞くに堪えないものも…。ただ、ここで言いたいのは、それは起用された側の人間よりも、起用する側の人間の方が重罪だ!ということ。もはや「それほどのイベントでもない」という意見も一理あるが、それでもこの檜舞台を目指して日々努力している歌手の人たちにしてみれば、心から忸怩たる思いをしていることだろう。

 と、ここまで振り返ってみれば、賢明な方ならもうお分かりだろう。これって、今のプロレス界とまったく同じだと思いませんか? 昨年、スターダムのトップ選手が、TVのバラエティ番組でやるような企画ものの試合に対して苦言を呈していましたよね?

 他にも、ロクに身体も鍛えていない選手がリングに上がったり、まともに受身もとれない選手が見様見真似で大技合戦をやったり、これが本当にプロレスなの!? と首を傾げたくなる擬物が横行している。

 またメジャーの興行でも本来あるべき姿よりも、付加価値ばかりに気を取られ、あるべき姿を完全に見失っている、と思いませんか?

 私が言いたいのは、「昔の方が良かった」なんてただ懐かしんで昔話をしているんじゃない。こんなことをしていたら、「本当にこの業界は廃れてしまうよ」と警鐘をならしているということ。

 何度もここに書いているように、企業がスポンサードしてくれて、選手がリングに専念できるような場を与えてくれる今のプロレス界の在り方は大賛成。でも必要以上にリング上のことに口を出し、試合を食ってしまうような企画を強制したり、闘いの魅力を半減させてしまうような制度やルールを強いる運営の仕方は大反対。

 餅は餅屋、双方が己の分野を全うできる環境こそが理想の関係だ!と切に思う。プロレスにおいて、付加的要素を強化するのは大事だが、あくまで主役は『闘い=試合』。その価値観を見誤ると、イビツな光景をリング上で晒すことになる。そう思いませんか?

 どこかの団体のメイン問題もそう、どこかとどこかのオーナーや社長の暴走問題に関してもそう。そのへんを見誤ると、本当に誰も見向きもしない業界に、やがてなってしまいかねないですよ。お気を付け下さい。



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