丸藤正道に今こそ言いたいこと | 俺ってデビルマン!?

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知ってる人は知ってるし、知らない人はまったく知らない…私、元・週刊ゴングの鈴木淳雄と申します。かつて所属していたプロレス業界に限らずに、今現在の私をありのままに記していきたいと思いますので、どうぞ宜しくお願い致します。

 


 正直言って、今のあの団体には私は興味がない。最近の興行はほとんど見ていないし、ネットニュースで見る記事もその一部だけで、ほとんどが見出しを流し見しただけで終わっている。

 かつて私が在籍した団体。色々と新しいものを共に生み出していった会社として、辞めてからも愛着はあったのだが、それも遠い昔。今の変わり果てた姿にはまったく興味が湧かないし、別にどうでも良くなっている。

 がしかし、今回の2024/1/2有明大会のメイン問題の件に関しては、見過ごす訳にはいかなかった。何しろGHCヘビー級王座は、私が三沢社長の指示を受けて造り上げた想い出のベルト。例えデザインが変わってリニューアルされようと、そこには他ならぬ特別な思いが込められている。

 だから昨年のムタvs中邑もそうだし、今回の丸藤vs飯伏にしてもそう。その団体の最高峰を意味する闘いよりも、本当に意味や価値のあるものなのか!? その重さを理解していないはずがない人間がなぜその答えを生み出したのか、疑問以外の思いが見当たらない。

 “真面目に頑張っている人間は、素直に評価してあげるべき”、全日本プロレスにおける三沢革命はそこから始まった。そしてその姿勢はプロレスリングノアという会社が始まったときの理念であったともいえる。

 例え身体が小さかろうと、キャリアが少なかろうと、真面目に必死にプロレスに取り組んでいる人間に灯の当たる舞台を与え、その才能を開花させてやる。それが三沢革命の根本的姿勢であり、ノアという会社の象徴でもあったはず。

 当時はまだ若手に過ぎなかった丸藤、KENTA、森嶋、力皇らを前面に押し出し、その才能を開花させたのは他ならぬ三沢光晴という人の全面的なバックアップがあったから。自由に、信念を持って闘える土壌を創りあげることこそが、プロレス界における方舟の使命だったはずだ。

 では今、あの会社の若い選手たちはどうだろう?灯のあたる場所にいるか!? リングという大空でノビノビと羽ばたいているか!? 『脱・三沢』もいいが、余りにも変わり果てた姿を嘆いている人は多い。

 で、今回、私がここで何を言いたかったのかというと、別に今のあの会社の現状を嘆くことでも、その副社長でもある丸藤に最高峰王座の価値観を改めて問うことでもない。

 聞けば丸藤は、近い将来の現役引退を口にしたらしい。だからこそ、改めて言いたいことが私の頭のなかに浮かんできた。今、丸藤がやるべきことは、想い出創りなんかじゃないんじゃないのか!? と。

 もし本当に近年中の引退を決意したのであれば、もう一度、プロレスラー・丸藤正道という存在を、プロレスリングノアという存在を、さらに高みに押し上げてからにしてほしい。なぜなら、それは今の丸藤にしかできないことだからだ。

 かつて丸藤は、まだ有望な若手選手の1人に過ぎなかった時点で、業界のJr.ヘビー級という分野のトップ中のトップであった獣神サンダー・ライガーという選手に対し、「ノアのジュニアは最強です!」と言い放った。

 まだノアの社員であった当時の私にしても、「こいつは何てことを言うのだろう」と呆気にとられた覚えがあるが、その後の彼の活躍は凄まじかった。言った当初は怪我で欠場を続け、言うだけ番長になってしまっていた感もあったが、復帰してからは文字通り最強を証明する数々の活躍を見せる。

 KENTAとの闘いは階級を越えて最高峰の座まで辿り着き、三沢vs,小橋と並ぶノアの伝説とまでになった。そしてその活躍は団体の枠を超えて全日本で世界ジュニア、新日本でIWGPジュニア・ヘビー級王座まで手に入れた。ジュニア・ヘビー級において史上初のグランドスラムを達成したのは、誰あろう、この丸藤正道なのである!

 そしてヘビー級に転向してからも、全日本のチャンピオン・カーニバルを制覇。三冠王座は奪えなかったが、そこに挑むまでに至っている。新日本でもG1に出場し、優勝こそ果たしていないが、当時のIWGP王者であったオカダに公式戦で勝利し、翌シリーズにはその王座に挑んでいる。

 フリーの選手ならともかく、団体にずっと所属している選手で、これだけの実績がある現役選手は他にはいない。ヘビー級だけに限れば、新日本の永田裕志や小島聡が既にグランドスラムを達成しているが、そもそも彼らにはジュニアの経験がない。ヘビー級とジュニア・ヘビー級のWグランドスラム(二階級)制覇。これを成し遂げられる可能性があるのは、この丸藤正道ただ1人なのである!

 団体のみならず、業界を代表できる選手。そして業界全体において高い評価を得ている選手、それでなければ挑むことすらできないメジャーの他団体最高峰王座。それを掴まずして、引退なんて口にしてほしくない。ノアのならず、業界を代表することのできる男にしかできない偉業、それを今こそ達成せよ!

 丸藤よ、かつて自分が口にした言葉を思い出せ!そして今度はジュニアではなく、ヘビー級でその証明を果たしてくれ!今度は「ノアのジュニアは最強です!」ではなく、「いつでもノアは最強です!」と言ってくれ!

 他団体との対抗戦にコロコロ負け続けるノアなんてノアじゃない!今のノアもあの三沢光晴の魂を受け継いでいるというのなら、言葉だけではなく、行動でそれを示してくれ!引退するのはそれからだ。それがその会社を引き継いだ男に、最後に遺された使命なんじゃないのか!?



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