④コミュニケーション能力は必要か?
鍼灸の仕事は対人なのでコミュニケーション能力は必要です。
患者さんとしゃべるのが嫌いな人はこの仕事は向きません。
苦手な人は話ができるように努力しましょう。
昔、ある偉い鍼灸師の先生の治療院に見学に行ったことがありました。
いつもムスッとしていて、機嫌が悪いような顔をしていて、
怒るとものすごく怖い先生でした。
ただ、技術はピカ一らしかったのです。
見学に行くと、壁掛け時計の音が静かな院内に響いていました。
BGMとかは全くなく、なんとなくピーンと緊張感が走る空間でした。
先生は脈を取り、鍼をするスタイルの治療でした。
患者さんもそう多くはいなかったようです。
もしかして、その日はたまたま患者さんがいなかったのかもしれません。
ただ、この感じは今はあまり好まれません。
腕が良ければ患者が来る時代は終わりました。
そもそも、本当に腕が良いかどうかは患者さんが決めることです。
本人のとその取り巻きの思い込みということも結構あるかもしれません。
Googleの口コミをみていると面白いことが見えます。
飲食でも何でも良いのですが、
大概不満は料理そのものではなく、そのスタッフの態度であったり、室内やトイレの汚さであったりします。
これ治療院にも言えることではないでしょうか?
料理 = 施術 ですね。
なので、コミュニケーションは必要なのです。
ただあまりしゃべりすぎると、施術する人としては”軽い人”と見られがちですから、
ペラ夫は慎むべきかもしれません。
昔、ある女性の鍼灸師の先生から
「男の施術者は患者さんに聞かれたときだけ話をすればいいのよ」と言われました。
あまり、しゃべりすぎるなということだと思いますが、
今はそれ+αくらいがちょうど良いのかもしれません。
あと、初っ端から患者さんの身の上を聞きすぎるのもあまり良くないです。
そのような患者さんはその後、来院しなくなる傾向があります。
ディープな話題は少しずつお互いの慣れ具合に合わせて聞いた方が良いと思います。
話したければ患者さんの方から話してくれますので。
私は話に夢中になると、鍼に集中できなくなるので
ここぞという時は無言です。
無言の時は集中しているな、と思っていただければ幸いです。