鍼灸師はやめた方が良い職業か??⑤ | ゴッドハンドではない鍼灸師の日々これこれ

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あすなろ院長が臨床で感じたこと、その他について気軽に書いていきます!(*^-^*)

 ⑤鍼灸の需要がない

 

これは鍼灸というものをどちら側から考えるかによって大きく異なると思う。どちらとは、

1⃣医療職と考えるか

2⃣サービス業と考えるか

 

この1⃣と2⃣の違いは

鍼灸を”商売”と考えているかということである。

 

1⃣と考えると看護師、検査技師、理学療法士などと同列であり、

このような職業の方は勤めている病院の売り上げを考えることは無く、

自ら営業もしなくても良いし、もちろん市場調査もしなくて良い。

自身のライセンスに沿った業務を行えばよいということだ。

 

2⃣であるならばそうもいっていられない。

鍼灸師であるが、自営業者であり、経営者なので、

売り上げを上げることが重要となる。

 

そのためには、どのように自身の業務を売り出すか・アピールするか、集客はどうするか、

どうすれば売り上げがたつか・・・など鍼灸を施す以外のことも考えねばならない。

そもそも、鍼灸業界・鍼灸師は2⃣の考え方がかなり欠落している(と他業種の方々に鼻で笑われる)。

 

鍼灸の大学の先生や研究者のお偉い方は1⃣の考えが特に根強い。

このような方々は鍼灸師が医療機関のパラメディカルとして働けることを最大の目標としているので、

そうなってしまうのは分かる気もする。鍼灸のエビデンスを上げ、医者や医療機関に認められることが

重要と考えている。

 

確かにそれはとても大事なことであるが、

現在進行形で仕事している鍼灸師のほとんどは医療機関では無く、

自営業者(もしくはそこの勤務者)なのである。

そして、現実的には医療機関で働けている鍼灸師はごくごく少数である。

 

これは私が学生だった20年前と比べてあまり大きな変化はない。

そして、何か医療業界に大きな地殻変動が起こらなければ、今後もずっと今のような状態が続くと思うし、

それが濃厚であると私は考えている(そうならないことに期待を込めてはいるが・・・・)。

 

将来は病院で仕事ができる鍼灸師を目指すために

医師に認められるような医学的な知識と技術を身に着けたインテリ鍼灸師が

実際はあはきで(直接)飯を食っていないか、収入ギリギリで生活しているのも確かである。

残念ながら、怒られるかもしれないが、つくばの臨床研修仲間でもそのような方が知ってる限り結構いるのだ。

 

つまり、学生時代から、2⃣であることの自覚をもち、

そのためにはどう動いたら良いかということを常に考えている方が無難である。

 

技術のセミナーばっかり行っていたのでははっきり言って駄目なのである。

経営のセミナーとか、異業種交流会とかに出て鍼灸の立ち位置を俯瞰したり、

どうやってこれで食っていくかを広い視野で考察した方が良いと思う。

(こんなことを言っているが、自分もできているとは到底思えない・・・)

 

 

私は鍼灸の対象者はまだまだ世の中に沢山いて、その掘り起しが全く出来ていないと思う。

鍼灸の隠れた需要がまだまだ眠っていると思う。

 

医療機関はすでに国家が確立したもので、医療従事者はそれに乗ればよいのだが、

鍼灸師は同じ気でいては駄目だ。

医療機関の中に鍼灸師は元々居ないのであるから、自らその地位を確立させなければならないが、

医療機関でそれをやろうとすると、政治的な妨害等が必ず入るので時間がとてつもなくかかる。

 

なので、野に出てその良さを自由に開拓したほうがずっと早いと思うのは私だけだろうか?

鍼灸の需要はまだまだある。

その努力と方向が足りないだけだ。